反サンダース・反ブルームバーグは反ユダヤ主義だったのか?

 バイデン氏は、15年にイスラエルのネタニヤフ首相が米議会演説をした際、副大統領で上院議長を兼務していたにもかかわらず欠席した。オバマ大統領が同首相との面談を拒否したのに歩調を合わせた格好だった。

 そのバイデン氏は、今年3月1日から3日まで、ワシントンで開催されたAIPAC(米イスラエル公共問題委員会)の政策カンファレンスにビデオメッセージを送った。昨年は出ていない。このカンファレンスの今年の目的はストップ・サンダースだった。

 このカンファレンスにも登壇したブルームバーグ氏とサンダース氏はともにユダヤ人である。にもかかわらず、サンダース氏は反ネタニヤフであり親ムスリム(イスラム教徒)だ。2人のムスリム下院議員からの支持も受けている。そこでAIPACは反サンダースとなった。

 一方、3月2日夜にFox Newsが開催したブルームバーグ氏のタウンホール会議では、親バイデンと思われる人物が、垂れ幕を広げて大声で叫び、一瞬であるが会議をさえぎった。その直後から、この行為は反ユダヤ主義者によるものだという噂が流れた。

 米テレビ局がスーパーチューズデー後に報じた「72時間に何があったのか」という疑問に対する答えの一端がここにある。ブルームバーグ氏は選挙に5億ドルを選挙に投下したことを理由に、カネで票を買うと批判され続けてきた。これは、現在の裕福なユダヤ人が嫌われる理由とされる、カネに物を言わせる行動への批判と考えることが可能だ。

 他方、サンダース氏も民主主義的社会主義者であるにもかかわらず豪邸に住み、プライベートジェットに乗って全米を遊説していると批判された経験がある。学生ローンを全廃する目的も、実はGAFAで働く裕福な若者たちの学生時代のローンを無くすためだとの批判も出ている。

 日本人には信じがたいことであるし、許せない話だが、米国にはこうした現実が存在しているのも事実だ。このため、このような差別と戦うためのユダヤ人やその支援者が作る団体もある。

 ちなみに、ただ1人ではあるが、スーパーチューズデーの総括の際「これはAnti-Semitism(反ユダヤ主義)だ」と一言だけ触れた評論家がいた。

次ページ なぜブティジェッジとクロブシャーは撤退したのか