民主・共和で割れたブルームバーグ参戦への評価

 4億ドル以上の自己資金を選挙活動に注いだブルームバーグ氏は、討論会直前の人気投票では、先ほど触れた全米版で14%、州別にみると最大票田のカリフォルニア(CA)州で16.5%、2番目のテキサス(TX)州で11.7%、3番目のノースカロライナ(NC)州で17.3%と、予想通りの高い支持率で参戦した。

 これを受けて、民主党もリベラルメディアも「強いブルームバーグ」という雰囲気になったが、共和党はこの3州での順位が巨額の資金投入にもかかわらず2位、4位、3位だったことに注目し、「ブルームバーグは恐れるに足らず」と評価した。結果は他の全候補から敵として攻撃された討論会の通りである。

 民主党内のポリティクスを見ると、これまでは、重鎮のリード元上院議員がサンダース氏を危険視し、バイデン氏を支援していた。ところが、クロブシャー氏の討論術を評価するなど、ここへきて揺らぎが出ている。このため、NV、SC両州で黒人などマイノリティー票を獲得して勝利を目指すバイデン候補は、NV州唯一の黒人下院議員であるホースフォード氏とマーシャル副知事から受けた支持を次に生かせるかどうかが鍵となっている。一方、リード前上院議員は、ブルームバーグ氏について「良き市長だった」と、世界的な大都市とはいえ一都市の代表以上ではないとするコメントをしており、彼を支援しない態度を見せている。

 ブルームバーグ氏に関しては、これまでのところ共和党の評価が正しいという印象である。

さらなる混乱もあり得るスーパーチューズデー

 14州の予備選が集中し(海外有権者の予備選も行う)、それまでに決まったものも含めて全体の4割の選挙人が決まる3月3日のスーパーチューズデーだが、ここで注目すべきは中道に位置する投票者の動きだろう。

 日本ではあまり理解されていないと思うが、この日が民主党の大統領候補者にとって大切なのは、前回のNH州でも、第9回討論会でも話題になった「トランプに勝てるかどうか」という視点での結果が出てくることである。

 TX州を含む8つの州とアメリカン・サモアでは、前回(16年)に共和党に登録していた人もインディペンデント(民主・共和どちらでもない)の人も民主党の予備選で投票できる。また、CA州、NC州を含む5つの州では、インディペンデントの人が民主党員とともに投票できる。民主党員だけが投票できるのはメーン州だけだ。

 つまり、スーパーチューズデーは予備選の初期段階において、トランプに勝てる民主党候補者を選ぶ最初のコンテスト日となる。仲間内で足を引っ張っている候補者が、トランプ大統領との本選さながらの戦いを行うのだ。もちろん、ここでの民主党員以外の投票者が「民主党中道」を支持する人になるという意味ではないので、本選の際にどうなるかは別だ。元共和党員のブルームバーグ氏がスーパーチューズデーに賭ける一因はこの点にある。

 ちなみに、全体で約1万3000人のNH州における投票者のうち43%がインディペンデントだった。リベラルメディアは報じないが、このNH州でサンダース氏が勝ち、ウォーレン氏も善戦したという事実は、超リベラルが今の米国で受け入れられていないということを否定する。

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