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両州のいずれかの勝利者が高確率で大統領候補に

 2月11日のNH州予備選の結果は、サンダース25.7%、ブティジェッジ24.4%、クロブシャー19.8%、ウォーレン9.2%だった。クロブシャー候補はIA州の12.3%から大躍進だ。

 しかし、より重要なことは、若者(NH州の学生の8割以上は学生ローンを組んでいるとの調査結果がある)、リベラルに人気の高いサンダース候補の勝利は予想通りとしても、イデオロギーがモデレートな人達の間ではブティジェッジ29%、クロブシャー22%とバイデン10%の2倍以上となったことだ。投票直前に候補者を決めた人の支持率ではブティジェッジとクロブシャーの両候補は24%と同じ、シニア層ではクロブシャー23%、ブティジェッジ20%となったことである。

 しかも、同州を選挙区別にみると、ほぼ上位3人だけで地区別トップを獲得した点も、今後の選挙戦に大きく影響するだろう。この地区別結果は、人数の小さいところから発表されたが、これが5地区まで発表されたところで、バイデン候補はNH州を捨てサウスカロライナ(SC)州に旅立ってしまった(関係者が弁明を繰り返したがNH州を捨てたと思われたのは事実だ)。

 しかも、全体で1990人の投票人を獲得しなければならない民主党予備選の最初の2州の合計では、ブティジェッジ23、サンダース21、ウォーレン8、クロブシャー7、バイデン6と、ブティジェッジ候補がトップに立ち、IA州では獲得ゼロだったクロブシャ―候補が4位に踊り出た。

 カーター大統領が勝利した1976年の大統領選挙以降、92年のクリントン大統領を除き、この両州のどちらかで勝った候補が民主党では大統領候補の指名を受けると言われている。クリントン大統領もNH州ではスピーチの切れ味が注目されて2位につけ、IA州で2%しか取れなかった低迷ぶりを挽回してThe Comeback Kidと呼ばれ、その後の選挙戦に勢いをつけた。

 その意味では、既に米国のメジャーな新聞各紙が取り沙汰し始めたバイデン候補の敗北宣言が近づいてくるのか、それともこれから復活するのかが注目されるところだ。なお、NH州予備選が終わったところで、これまでのディベートに出てきていたヤング候補、ベネット候補(直近は出演基準を満たさず出場できず)の両氏が選挙戦から離脱した。

ネバダ州とサウスカロライナ州の行方

 この後は、2月19日に10回目のディベート(場所はネバダ州)、22日にネバダ(NV)州党員集会、25日に11回目のディベート(場所はSC州)、29日にSC州予備選挙、そして予備選投票人全体の約40%を決める3月3日のスーパーチューズデーと続く。

 NV、SC両州の人口動態は、NV州では白人が58.1%で、ヒスパニック19.9%、黒人9.7%と続く。SC州では白人が67.7%、黒人が26.5%、ヒスパニックが3%で、バイデン候補が期待する黒人票が多いという特徴がある。また、NH州ほど高学歴でもないため、同州での結果は参考にならないとして、各陣営は初心に帰った気持ちで選挙戦を本格化するとしている。

 NV、SC両州の人気投票は1月上旬までのものしかないものの、バイデン氏がそれぞれ21%、31%とトップで、特にSCでは断トツだ。2位はNVではサンダース候補の17.5%、SCではステイヤー候補の18.5%となっている。

 しかし、ブティジェッジ、クロブシャー両候補の勢いは当面続きそうであるうえ、19日のディベートいかんでは再び旋風を巻き起こす可能性もないとは言えない。