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カルロス・ゴーン氏の剛腕で、いったんは復活を遂げた日産自動車。だが、2008年秋のリーマン・ショックの直撃を受けて、業績は急激に悪化していった。09年2月、ゴーン氏は2万人の人員削減に踏み切ることを発表。日産リバイバルプランでは2万1000人を削減しており、合計4万人以上のリストラを断行することになった。逆境になると好調時には見えにくかった問題も目立つようになる。そんな中で日産・ルノー連合は1999年の提携から10周年という節目を迎えようとしていた。日経ビジネスから発刊した書籍『カリスマ失墜 ゴーン帝国の20年』と連動するオンラインゼミナールの4回目は、再び窮地に追い込まれた当時の日産の課題に迫る。提携20周年も、業績が悪化し、経営が混乱する中で迎えた日産。10年前の危機から浮かび上がる今につながる課題とは何か。

 平時であれば、華々しい式典が開かれ、自信に満ちたカルロス・ゴーン社長のスピーチが聞かれたことだろう。

 2009年3月27日、日産自動車はフランス・ルノーとの提携10周年を迎える。自動車業界に再編の波が押し寄せた1990年代後半、極度の経営不振に陥った日産が会社の存続をかけて選んだのがルノーとの提携だった。その契約が結ばれたのが1999年3月27日。「世紀の合併」と称されたダイムラークライスラーが2007年に袂(たもと)を分かつなど、当時の提携が次々と失敗に終わる中、日産ルノー連合は10年の歳月を数えた。

 「自動車業界の提携・合併の中で、ルノー・日産のケースは唯一の成功例」。ゴーン社長はしばしばこう自画自賛してきたが、10年という節目を迎える今、想像を絶するほどの逆風が吹いている。ゴーン社長やルノーの関係者が出席して盛大に記念式典を行う計画はなくなった。

(写真=Bloomberg / Getty Images)
   

 09年3月期の連結売上高は8兆3000億円と前期比23.3%も減少、営業損益は1800億円、最終損益は2650億円の赤字に転落する見込みだ。これを受け、世界で2万人の人員を削減するなど業績改善策を発表した。それでも市場の回復が見込めないため、10年3月期も営業赤字が続くという見方が大勢を占めている。

 日産を倒産の淵から救い、V字型回復を成し遂げたゴーン経営だが、株価は過去にない危機に直面する現実を映し出している。