第6世代を救ったガラスのエンジン

木谷:いえ、そのものずばり、シリンダーがガラス製で燃焼中でも中が見える単気筒エンジン。ガラスといっても高熱に耐えるサファイアガラス製で、これがまた、すっごく高かった(笑)。

サファイアガラスのシリンダーの中に緑のレーザー光を当てている。グリーンの円柱のように見えているのが、空気と燃料が混じった混合気の渦だ。
サファイアガラスのシリンダーの中に緑のレーザー光を当てている。グリーンの円柱のように見えているのが、空気と燃料が混じった混合気の渦だ。

何かものすごいことはわかりますが、これで何をやったんですか。

木谷:このエンジンを使って、燃焼室で燃焼ガスがどう動くかを高速度カメラで捉えることができるようになったんですよ。

そうなると何が起こるんでしょう。

木谷:これで、シミュレーション上の予測と、実際の燃焼が、どこがどういう原因で違うのかが格段に追いやすくなったんです。おかげで(シミュレーションの)精度が急激に上がって、事前の予測が当たるようになってきた。そして、ちょっとしたシリンダーヘッドの形状の変化が燃焼効率を大きく変えることがわかった。

おお!

木谷:これがきっかけになって、スカイアクティブエンジンの開発がなんとか、ぎりぎり間に合ったんです。

(次回に続きます)

日経ビジネスから『カリスマ失墜 ゴーン帝国の20年』『マツダ 心を燃やす逆転の経営』の書籍2点を刊行!

カリスマ失墜 ゴーン帝国の20年

倒産寸前の日産自動車を再建し、カリスマ経営者の名を欲しいままにしたカルロス・ゴーン氏。2018年11月に突如逮捕され、権力の座から転落した。ゴーン氏とは、いったい何者だったのか? いかにして絶対権力を握ったのか? その功罪とは? 転落の背景には何があったのか? 「日経ビジネス」が追い続けた20年の軌跡から、ゴーン氏と日産・ルノー連合の実像に迫る。



マツダ 心を燃やす逆転の経営

「今に見ちょれ」──。拡大戦略が失敗し、値引き頼みのクルマ販売で業績は悪化、経営の主導権を外資に握られ、リストラを迫られる。マツダが1990年代後半に経験した“地獄”のような状況の中、理想のクルマづくりに心を燃やし、奮闘した人々がいた。復活のカギ「モノ造り革新」の仕掛け人、金井誠太氏(マツダ元会長、現相談役)がフランクに語り尽くす。改革に使われた数々の手法についての、詳しい解説コラム付き。