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 最終回の今回取り上げるのは「長短」。5分ほどの短い話ですが、落ちが素晴らしい。立川談志はこの「長短」の落ちをずっと愛していました。その落ちとは……(ぜひ、以下の動画でご覧ください。動画は無料です)。

 続いては「長短」という落語です。落語のタイトルは本当にアバウトですね。5分ぐらいで終わる話ですね。

 気の長い男と気の短い男の対話で話が進むのですが、落ちが素晴らしいんです。うちの師匠の立川談志は、この「長短」の落ちをずっと愛していました。その落ちというのは、「ほうらみろ、だから教えないほうがよかった」。この一言がすべてを描いていると、談志は喝破していましたね。

 世の中、情報過多です。もう、教え過ぎじゃないかと思うくらいです。この教え過ぎの世の中に対して、教えないほうがよかったと言い切っちゃう。これは、教育論にもつながると思うんですね。

 私は教育論の本を、小学校の先生向けに書いたことがありますが、教育の主軸、主人公は、受信者にある。落語であればお客さんにあると思うんです。この受信者が、いかに自分で開拓していくか。それが大事だと思うんですね。

 談志は、自分が二ツ目になるために、いろいろなところで歌舞音曲を教わった。ところが、「よく覚えておけ、俺がここまで来られたのは教えてくれたやつのだめさ加減に気付いたからだ」と言ったんです。これはすごいせりふですよね。教えてくれた人に対する敬意とか感謝というのは、この場合はちょっと抜きにしましょう。

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