医師と患者が同じデータを共有し、議論できるように

瀬戸:日本ではそうした先行例を参考にしながら、NCDのあり方を考えてあります。それで、安直なランキング化につながるようなデータの公表はしていません。

 データは医師の個人単位ではなく、医療施設ごとの結果として、各施設にフィードバックされています。全国平均の数値も知ることができますから、平均と比べて手術の合併症率がどうか、といったことが分かります。そのデータを見ながら、弱いところに手を打っていく施策を考えるのです。

 データを患者さんと共有することもよくあります。手術を控えた患者さんの術前データを入れると、いまの状況で、この手術を受けた場合にはどれくらいの割合で合併症が起きます、といった全国平均値データも示せます。

 こうした情報をインフォームドコンセントの質の向上につなげることはできます。

宮田:同じデータを用いて、カンファレンスで「いまこの手術をすべきかどうか」「リスクが高いので手術自体を考え直すべきでは」といった議論も、客観的な指標を見ながらできますね。臨床現場の医療の質は、NCDによって高まってきている実感はありますか。

瀬戸:高まっていると感じますね。実際に、NCDが始まった2011年以降、合併症の発生率も、術後死亡率も、実際の具体的な数字で見て分かるほど下がっています。

 もちろん、さまざまな要因があってのことでしょうが、治療成績を良くするには、知ることがまずは大切。これは世界の医療界でも定着しつつある考えです。

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