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「三方よし+未来もよし」は実現可能なのか

 企業が主たるプレーヤーとなり市場価値の創出を重視する米国型、国家が前面に出て社会における価値実現を目指す中国型、あくまでも個人の権利を尊重するEU型。これらの長所をよく知り、バランスよく導入していくべきでしょう。

 しかも日本には、データ駆動型社会の構築に向けて真剣に取り組まなければならない喫緊の事情があります。

 「社会を変革しない限り、もはや日本は先のない国である」

 これが、実際のところです。

 それはそうでしょう。超高齢化、少子化、経済成長の鈍化、人口減少と、現在の日本ではあらゆることがネガティブな方向に進んでいます。そしてどの項目を見ても、解決策のモデルが世界中のどこを探してもありません。

 現状の延長線上に発展を考えればよかったこれまでのようにはいかないのです。社会全体の構造を変えないと、もうどうしようもありません。独自に道を切り開くしか、道はないのです。

 「市場の価値」「社会の価値」「個人の価値」を実現する「三方」に加えて、未来への見通しもよくしなければなりません。つまり日本は、「三方よし+未来もよし」を目指すよりほかないのです。

 手本とするものもないまま、道なき道を進まなければならない日本の現状は、普通に見ればピンチです。けれど、それは考えようによって、大きなチャンスと捉えることもできます。世界中のどの地域よりも先行して、未来型社会をつくることに全力でチャレンジできるのですから。

 「21世紀の石油」たるデータを活用して、いかに持続可能な社会をつくっていくか。その構想を、私は考え続けてきました。専門分野である医療・ヘルスケアで先んじて、これを社会全体へと広げていく。そんな道筋を描いているところです。

 では具体的に、どんな取り組みをしているのか。次回は私の専門分野である医療・ヘルスケアの世界で起こりつつあるイノベーションについて説明します。