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田中靖浩(公認会計士):今日は多くの方が、すごく重要で名前は知っているけれども、中身がよく分からないものについて、その歴史を説明しようと思います。それは管理会計です。聞いたことありますか?

白井咲貴(日経ビジネス):聞いたことはあります。

田中:英語は「management accounting=マネジメント・アカウンティング」というんですよ。マネジメントという言葉はドラッカーがよく使っているように、みんな好きですよね。だから「経営会計」と訳しておけばよかったのにと思うんです。

 それなのに、なぜか「管理会計」という訳が日本で広がり、言葉だけを聞いて反発してしまったり、拒否反応を示したりする人が多いので、もったいないと思っています。

アメリカで生まれた原価計算と管理会計

 管理会計は、マネジメントのための会計です。簡単に言うと、よりよくもうけるための会計なんですよね。このニュアンスが言葉からは伝わらないですよね。

 この管理会計がどの国で生まれたかというと、アメリカなんです。もう1つ、原価計算という言葉があります。メーカーが大好きですね。英語では「cost accounting=コスト・アカウンティング」。これもアメリカで生まれているんです。原価計算と管理会計は、どちらも鉄道会社にそのルーツがあります。

白井:これも鉄道なんですね。

田中:またもや、鉄道です。イギリスで生まれた鉄道がアメリカに移った。鉄道に投資する際、バランスシート分析をやったという話がありましたね(「初代SEC長官はインサイダーで大もうけ?」)。今回はその後の話です。アメリカの鉄道会社の経営者が、頑張っているプロセスで原価計算と管理会計が生まれた。

 これは19世紀の話です。イギリスで1800年代前半に鉄道ができて、程なくアメリカに来ました。19世紀中ごろには原価計算と管理会計の出発点があるということです。

 ここで、これまでの会計の歴史を説明する図をご覧いただきたいと思います。

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