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白井:決算書も基本的にはフローがいくらだったか、その結果によってストックが今、どうなっているかを表しているということですか。

会計が苦手な人は「フローとストック」をまず覚えよう

田中:その通りです。決算書は2つ。まずは帳簿を毎日付ける。それを例えば1年間で区切ったものが、有名な損益計算書です。売り上げがいくらで、コストがいくらで、利益がいくらかを示したものです。これがフローなんです。帳簿をきちんと付けることによって、1カ月ないし1年のフローの金額が明らかになりますよね。

 まずはお金の出入りを付けなければいけない。そのために帳簿という技術があるのです。このことによって、1年の始まりに持っていた点である財産がどんなふうに変化したかが、1年後の期末に分かる。これが決算によってつくるストック表で、これを貸借対照表と呼んでいるんです。バランスシートであり、点なんです。

 損益計算書が線、貸借対照表が点、これが基本形です。すなわちフローとストックです。会計が苦手な方がいたとしたら、これだけ覚えておけばいいんです。余計なことをいろいろと考えようとするから、頭の中がぐちゃぐちゃになるわけで……。

 もう1つだけ覚えておいてほしいのが線はフローであり、原因だということ。会社の成長とか衰退の原因なんです。人間に例えれば、体重が増えたり減ったりする原因で、結果として体に出てくるものです。

 会社もこれと同じで、むだ金を使ってばかりいると、赤字になって損失が出ますよね。これが原因となって、結果として会社のバランスシートがやせ細っていく。バランスシートというのはふくよかなバランスシートと、やせ細ってぶっ倒れそうなバランスシートの2つあるというイメージを持っておくといいと思います。

 そうしたバランスシートが、帳簿からつくる損益計算書との間で、ストックとフローの関係になっている。このことを頭の中に置くことが会計の基本で、これがきちっと頭の中にあるかどうかは、後々大きく影響すると思います。会計を勉強する人の中には、こうした基本的なところを等閑(なおざり)にして、細かいところばっかり覚えようとする人がいるようです。

白井:はい、この項目はどうだとか……。

田中:「木を見て森を見ず」というんですね。分かりやすく言うと、(点と線、ストックとフローの考え方である)森、この全体像をまず見ましょうということです。

 ついでなので、このストックの説明、バランスシートの説明もしましょう。この国の人って、フローの方の損益計算書はみんな分かるんです。得意としている人も多く、会社の中でも売り上げやコスト、利益のことばかり言います。

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