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(「数字を使わずに学ぶと、会計はもっと面白くなる」から読む)
(「簿記と銀行がイタリアで生まれた理由」から読む)

(内容の詳細は、文末にある動画で御覧ください)

田中靖浩(公認会計士):「会計の世界史講座」、3回目となりました。今日も一緒に勉強していきましょう。

白井咲貴(日経ビジネス):よろしくお願いします。

田中:今回は、中世の最後の時代に登場した天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの話を少ししようと思っています。

 おそらく多くの方は「モナ・リザ」の絵は知っているでしょう。また、レオナルド・ダ・ヴィンチという人が、ルネサンスといわれる運動の最後の大物だったということもご存じだと思います。一方、まさか会計と絡んでいるということはご存じないのではないでしょうか。

白井:はい、知りませんでした。

田中:レオナルド・ダ・ヴィンチは婚外子として生まれました。彼はお父さんのコネで前回お話したヴェロッキオのところに入門するんです。

 ヴェロッキオは「トビアスと天使」という絵を描きましたが、ヴェロッキオは当時、飛ぶ鳥を落とす勢いの彫刻家でした。父親は公証人でしたが、婚外子だったために自分の職業である公証人の跡継ぎにすることができなかったのです。

 当時は金利などの計算を自分でできる商売人が少なかったんです。だから、公証人のところに行ってやってもらっていました。公証人というのは記録だけではなく、コンサルタントもしていたのです。数学がある程度できるということでものすごく尊敬されたし、ものすごくモテたみたいです。

 ダ・ヴィンチはヴェロッキオ工房というフィレンツェの有名人の工房に入るわけですが、ここで頭角を現しました。