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白井:オランダ……。

なぜ絵画に「おっさん」が登場したのか

田中:レンブラント。レンブラントの「夜警」です。彼が全盛期に描いた代表作といわれている絵画です。アムステルダム国立美術館では大人気です。

 これは先ほどの絵とはちょっと違うんですよね。「トビアスと天使」には天使が描かれていますが、これには天使が出てこない。ほぼおっさんばっかり。街のおやじなんですよ。なぜレンブラントの絵に宗教っぽさがまるで消えて、街のおやじが登場してくるのか。

白井:こちらの絵も宗教っぽさはあまりないです。

ヨハネス・フェルメール「牛乳を注ぐ女」(アムステルダム国立美術館、写真:田中靖浩氏撮影)

田中:この「牛乳を注ぐ女」には、宗教っぽさがみじんもないですよね。

白井:すごく身近な。日常生活です。

田中:これは2018年、東京で「フェルメール展」があった際に大々的に広告されていたのでご覧になった方もいると思います。日本でも大人気の画家、フェルメール。これはレンブラントの後輩にあたるオランダの画家です。オランダが生んだ代表的な画家ですが、さらに宗教っぽさがなくなる。その背景に、実は経済や宗教の大きな動きがありました。その大きな流れの中で、オランダは世界の主権国になっているんです。

 例えば21世紀の今でいうと、覇権を持っている国といえばアメリカ。そして猛追する中国。ちょっと落ちぶれかかっているのが日本といったイメージです。レンブラントやフェルメールが出てきた当時は、世界の中心にある経済国家はオランダだったんです。

白井:オランダなんですか。

田中:非常に短い期間ですけど。なぜオランダが世界の中心になったのかが非常に面白いところです。どう簿記とつながるのかはオランダのお話をする回で説明をしていきたいと思っています。

 もったいぶった予告編になりましたが、こんな感じで講義を続けていきたいと思います。またご覧になってください。よろしくお願いします。

(詳細は下の動画でご覧ください)

ラインアップ(全10回、毎週水曜日掲載)
  • 01 歴史と絵画で学ぶと会計はこんなに面白い
  • 02 簿記と銀行がイタリアで生まれた理由
  • 03 ダ・ヴィンチも読んだベストセラーと「フローとストック」
  • 04 オランダ「東インド会社」の誕生とレンブラント
  • 05 「鉄道マニア」がいたから減価償却が生まれた?
  • 06 初代SEC長官はインサイダーで大もうけ?
  • 07 四半期決算と会計のルール
  • 08 いかに効率よく働かせるか~原価計算と管理会計の誕生
  • 09 マッキンゼー教授が始めた経営に使える会計講座
  • 10 ビートルズと未来を見る「ファイナンス」の深い関係
※今後の内容は変わることがあります
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田中 靖浩(たなか・やすひろ)
田中靖浩公認会計士事務所所長

1963年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、外資系コンサルティング会社などを経て現職。ビジネススクール、企業研修、講演などで活躍する。著書に『会計の世界史』(日本経済新聞出版社刊)『米軍式 人を動かすマネジメント』(同)。田中靖浩公認会計士事務所