技術の進化に伴い、より多くの人手も必要になる
AIが人間の仕事を奪うという話もあります。
北野 しかし現実を言うと、AIを作るトップの研究者が足りていませんし、大量のデータを整理して、キュレーションをして、といった作業をする人も足りません。
IoT(モノのインターネット)デバイスを装備してデータを取ろうとしても、IoTデバイスを単に置いておけば何とかなるわけではなく、メンテナンスやチェックをする人材も必要です。
僕の中では、トータルとして人のやることが減るというイメージはあまりないのです。
今だってSNSなどでもAIを使ってチェックをしていますが、さらにチェックするために膨大な人が張り付いています。最終的に人がチェックせざるを得ないので、表には見せていないけれど膨大な人海戦術が行われています。
AIが脅威になるというより、人間が作っているものなので、AIを使って新しいことを切り開くことがポイントだと思います。
あくまで人間がAIを使いこなすということですね。
北野 そうですね。つまりAI対人間ではないんです。ディープ・ブルーというIBMのスーパーコンピューターがカスパロフ(編集部注:チェスの世界チャンピオン、ガルリ・カスパロフ)を破ったとき、ディープ・ブルーの開発責任者が言ったのは、「これは1人の天才の能力をしのぐマシンが、多くのエンジニアの長年の努力で作られた結果であり、どちらにしても人間が勝ったことに違いはない」ということです。
AIは人間が作った道具であり、非常に多くの人の努力が投入されている、それを我々がAIとして見ているわけです。
(第2回を読む)
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