ベストセラーとなった『統計学が最強の学問である』の著者で、データビークルCPO(製品責任者)である西内啓氏が統計について基礎から教えてくれる動画講座の第7回。前回に引き続き、収集し、比較したデータの差異が「たまたま」なのかを確認する方法を考える。

 得られたデータが偶然でないことを確かめることができれば、そのデータに基づいて戦略が立てることも可能になる。

ラインアップ(毎週水曜日掲載)
  • 01 顧客の「アツさ」をどう「はかる」のか
  • 02 「だいたいこのあたりが中心顧客」をどう知るか
  • 03 どれくらいバラついているかが分かる標準偏差
  • 04 ナイチンゲールもデータで世の中を変えた
  • 05 集めたデータを比べてリスクと機会を知る
  • 06 その数値の差は「たまたま」なのか否か
  • 07 高校で習った知識で、得られたデータが偶然かを検証する
  • 08 ビジネスへの生かし方
※今後の内容は変わることがあります
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 こんにちは。株式会社データビークルの西内啓と申します。前回は「平均値の差」を取り上げましたが、今回は「割合の差」の統計的仮説検定を考えていきたいと思います。

 数値型では「平均値の差」を比較します。一方で分類型については「割合の差」を比較します。例えば、男性で満足した方が33.3%、一方で女性は75%が満足していたとします。こうした状況を見た際に、女性のほうが満足しているからこちらに集中しようと考えたり、男性の満足度を改善しなければならないのではと考えたりすることができます。

 しかし、これについても「平均値の差」と同様に「それぐらいの差はたまたまではないのか」と反論されることもあります。これが「たまたまかどうか」を確かめるために、「33%」という集計した状態ではなく、数値を使って「男性は6人中4人が満足していない」「女性は4人のうち3人が満足している」という具体的な状況を考えてみましょう。

 これぐらい数が小さければ、高校で習う知識でこの差が「たまたま」出た結果なのかという判断を下すことができます。

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