世界初公開! リアルなマンモスの「鼻」

松岡:冷凍標本のマンモスの皮膚は、厚さが2センチメートルぐらいあって、マンモスの腰の皮膚であると考えられています。これだけいい状態で、大きなものが見つかったのは、世界初でした。

 ほかにも今回、世界初公開として、マンモスの「鼻」の部分を展示しています。実際には、もっと長かったものを、いくつかに分割しています。

 マンモスの鼻には骨がなく、やわらかかったので、これまではあまり見つかっていませんでした。これだけ良好な状態で残っているのは、世界に1つだけです。

 近づいて見ると分かるのですが、鼻にも毛がたくさん生えていて、鼻先も非常によく保存されている。実際に、鼻がどのように使われていたのかも、これから分かってくるはずです。長い鼻を3分割したと聞いているので、実際には、展示しているものの2〜3倍くらいの長さがあったようです。なお、この鼻は、大人のマンモスのものです。

 かつて、マンモスは寒い場所に住んでいて、夏の間はとにかく草を食べ続けていたそうです。夜も寝ずに食べていたと言われているのですが、それは鼻の先を見ても明らかです。

 鼻先で草をむしって食べるので、かなりすり減っていますよね。実際にこの鼻先を見ると、そういった当時の様子も、かなり伝わってきます。

冷凍標本が見られるようになった背景にはどんな事情があるのでしょうか。

松岡:1つは地球温暖化で、冷凍標本が発掘されやすくなったという背景があります。

 化石では骨しかありませんが、冷凍標本は、見て分かる通り、毛や筋肉といった、いろいろなものが残っている。ですから、当時の様子が非常によく分かるようになりました。

 また今の科学技術を活用すれば、冷凍標本の細胞を生かして可能性が広がっています。では、保存状態のいい冷凍標本を使って今の研究者たちが、何をしようとしているとか。次回はマンモスの「未来」について紹介しましょう。

「マンモス展」ラインアップ全4回(毎週金曜更新)
  • 01 13年ぶりの「マンモス展」、見どころは?
  • 02 マンモスの「化石」から分かることは何か
  • 03 マンモスの「冷凍標本」がついに明らかに
  • 04 最先端の技術でマンモスはよみがえるのか
※今後の内容は変わる可能性があります
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【概要】
  • 企画展 :「マンモス展」-その『生命』は蘇るのか-
  • 期間 :2019年11月4日まで
  • 開館時間:朝10時~夕方5時(入場は閉館の30分前まで)
  • 休館日:火曜日(ただし、10月22日は開館)
  • 開催場所:日本科学未来館
  • 住所 :東京都江東区青海2-3-6
  • サイト :https://www.mammothten.jp/