大人のために「作文」を教える

つまり「作文」とあっても、読んでいるのは大人である、と。

西岡:実際に本書を買ってくれているのは大人の方々です。

 そもそも以前よりも、モノを書く機会そのものが増えているような気がします。

 自分で記事を書いて、SNSなどを利用すれば、いくらでも表現者になれる時代になったわけです。

 その中であなたは個人として何を発信するのか。自分の意見をいかに世の中に出すのかが非常に大切な時代になってきました。ひとりよがりな意見ではなく、双方向でやりとりするにはどうすればいいのか。そのためのツールとして、本書を利用してもらえるとうれしいです。

うまく伝えられないで悩んでいる大人が増えているのでしょうか。

西岡:2つのケースが考えられると思います。

 まずは、何か世の中に訴えているのだけれどまったく「いいね」が付かないといったこと。情報発信はしているけれど、うまく伝わらないというケースです。

 もう1つは、そもそも伝えることすらできていなくて、文章をどうやって作ればいいのか分からないケースです。本書ではその人に向けて、「文章は型だからどれかを選べばいいんです」と解説しています。

 『東大作文』と聞くと、おそらく受験生向けの書籍なのだろうと思うかもしれません。けれど、そんなことはありません。本書を参考に、どうやって伝わりやすいメールやSNSの投稿をするのか。ビジネスパーソンだからこそ作文が必要になるタイミングはあると思います。そういう方々に、ぜひ読んでいただきたいと思っています。

ラインアップ 全4回(毎週月曜日掲載)
  • 01 『東大本』はなぜ売れた?“凡人”が教えた学びのコツ
  • 02 『東大読書』著者が問う「読後にどんな議論ができますか」
  • 03 『東大作文』で磨く、大人が分かりやすく情報を伝える力
  • 04 答えのない問いに向き合う思考力を養う『東大ドリル』
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