『東大読書』で伝えたかったことは何でしょう。

西岡:この本は、結局何かというと、「自分の意見を持とうね」というのがメーンの考え方です。

 本書では5つの読み方を紹介しています。それが「仮説作り」「取材読み」「整理読み」「検証読み」「議論読み」です。ただ結局、僕がこの本で到達したかったのは、「議論読み」です。

 自分の意見を持って読むと、自分は何を得られるのか。この本を読んで自分はどういう意見を持つのか。アウトプットができるのか、できないのか。能動的に読書ができるのかどうか。本書で伝えたかった、譲れない内容はその点です。

 東大生は、ゼミなどでもみんなで同じ本を読んで感想を言い合う「輪読」が非常に盛んです。それがきついという東大生もいるけれど、きついと言いつつも楽しんでいる。「いや~きついな」と言いながらにやにやしながら論文を読んでいるんです。

 「来週、こんなことを言ったら多分、みんなは驚いてくれるだろうな」とか「ここはオレだけ発見したことだな」、といった感想を、話したくてたまらないんです。

 基本的に何が大事かというと、感想が言えるか言えないか。本と議論できるかできないか。その要素があるか否かで東大生の読書は人と違うと1われています。結局はたったそれだけの違いなんです。

 小説でもビジネス書でも、得た情報をどう使うか。そこに焦点を当てるべきです。けれどどうしても、インプットをしようと思うと、そこが抜けてしまいます。だからこそ、「アウトプット前提の読書」が重要なんだと、本書では書いています。

 加えて本書では、短くまとめていることが理解につながると語っています。「要約力」と言っていますが、長い文章を一言でまとめることは、非常に重要な能力です。東大生や受験生にはよく聞いていますが、本をきちんと読めている人は、「この本はこういうことだ」と一言でまとめることができます。

 一言で説明できない人は、その本を読めていないということ。一方で一言で説明できる人は読めているし、テストの点数も高くなる傾向があります。

 僕はSNSのTwitterで、「#東大読書」を付けていろいろな本を、140字のツイートの中で要約してください、という取り組みをやっています。みなさんがどういう要約をするのか、見ているのですが、これが非常に面白い。

 Twitterをのぞいてみて、「どの要約がいいんだろうな」と自分で考えてみても、面白いと思いますよ。

ラインアップ 全4回(毎週月曜日掲載)
  • 01 『東大本』はなぜ売れた? “凡人”が教えた学びのコツ
  • 02 『東大読書』著者が聞く「読後にどんな議論ができますか」
  • 03 『東大作文』で磨こう、分かりやすく情報を伝える力
  • 04 答えのない問いに向き合う思考力を養う『東大ドリル』
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