ヒットしたビジネス書の著者にインタビューする本連載。本日から4回にわたって登場するのは、2018年3月に刊行され28万部を突破した今なお売れ続けているベストセラー『1分で話せ』(SBクリエイティブ)を書いた伊藤羊一氏。

 Yahoo!アカデミア学長やグロービス経営大学院客員教授として活動する伊藤氏は、普段からスタートアップの起業家たちにプレゼン方法などを伝授する活動を重ねてきた。そこから導きだした「1分で話す」ためのポイントとは何か。そして伊藤氏が本書に込めた思いとは何だったのか。話を聞いた。

ラインアップ 全4回(毎週月曜日掲載)
  • 01 「みんな、伝えることに悩んでいる」
  • 02 「伝える」ことのゴールは人を動かすこと
  • 03 僕は「伝えること」が苦手だった
  • 04 これまでの生き方がにじみ出た
※今後の内容は変わる可能性があります
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まず、『1分で話せ』がどのような本なのか教えてください。

伊藤氏(以下、伊藤):人とコミュニケーションをするときに、考えてちゃんと伝えることができるようになるためのスキルを1冊の本にしました。それは必ずしも、人前で立って何十人もを前にプレゼンテーションをするというケースだけではなく、上司と部下のやりとりとやチームの中での会話など、いろいろなコミュニケーションの局面で役に立つ「極意」を本にしたものです。

「話す」「伝える」という本はほかにも多数あります。『1分で話せ』の特徴は。

伊藤:ポイントは帯に書かれていて、「結論」と「根拠」と「例えば」というのを入れる、ということです。これで相手の右脳と左脳を動かしていく。「結論を最初に言いましょう」「根拠を言って相手の左脳を納得させましょう」「例えば、と言うと、相手の中の右脳にイメージが湧くので、結論と根拠と例えばで相手の右脳と左脳を動かしましょう」。これがもうこの本のすべてです。

 では、帯だけ読めば本の中身を読まなくていいんじゃないか、というお話もいただくんですけど、それを具体的にどうやって言えばいいのかということを、本書の中では詳しく解説しています。