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もう、精度の低い情報に惑わされない

つまり学生は、非常に極端な情報の間で揺れ動いていた、と。

北野:そうです。完全匿名のクチコミサイトは山ほどあります。けれど、どれが本当の正しい情報で、どれを信頼すべきなのかというのは、なかなか判別しづらいはずです。

 一方で手前みそだけれど、「ONE CAREER」には、かなり質の高いクチコミが集まっている。例えば、ある大手証券会社の場合、サイトに登録すると、この会社が昨年、どういう選考ステップで採用を進めていったのかをすべて掲載しています。それは実際に、最終面接まで進んだ人や内定者など、複数名に話を聞いて、情報が正しいのかチェックしているわけです。

 「合格の秘訣」というのも人気コンテンツですが、これはその会社の内定を取るために、どういうことが重要なのか、そもそもこの会社はどういう企業なのかを、公式サイトの情報を活用したり、財務分析をしたりしながら、解説しています。1社当たり数十時間を掛けて、担当編集がチェックしながら、基本的にはクチコミをベースに、情報をまとめている。

 さらに「食べログ」のようにクチコミを書き込んだ人に対して、別の学生が点数を付けることもできる。その上で、実際に先輩が企業側に提出したESの情報もすべて公開し、サイトに登録しさえすれば、無料で見ることができる。そのESの数が、実に3万6000件もあるんです。

 実際の経験者のリアルな体験談がたくさん掲載されている。学生にしてみれば、非常に便利な情報だと思います。何より、これまでは企業側の出す都合のいい情報か、精度の低い完全匿名サイトのクチコミしかなかった中で、就活を巡る情報が透明化された。いくつかの「半実名クチコミサイト」の登場によって、ようやく学生にとっては就活を巡る情報が民主化されたんです。