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半実名サイトで情報の精度が上がった

2つ目の「民主化」とはどういう意味でしょう。

北野:これまで学生が就活中に触れる情報は主に2つのタイプしかありませんでした。1つは広告情報。「リクナビ」や「マイナビ」といった就職情報サイト大手の情報のことです。これは企業側が発信する情報を中心に掲載していました。

 一方でその対極にあるのが、完全な匿名によるクチコミサイトです。こちらはどうしても匿名であるがゆえに、情報の精度やクオリティにばらつきがあった。質の高いクチコミもあるのでしょうが、同時に誰がどんな意図で書かれたのか判別の付かない情報もたくさんありました。

 けれど、世の中で今、多くの人々が支持しているのは、「半実名のクチコミ」です。「食べログ」や「アマゾン」を見てもらうと理解しやすいのではないでしょうか。これらが登場するまでは、企業側が一方的に伝えたい情報だけがサイト上に掲載されていました。その一方で、完全匿名のクチコミサイトには、誰が書き込だか全く分からない精度の低い情報があふれていた。

 そんな中で、「食べログ」や「アマゾン」など、半実名による信頼性の高いクチコミを、人々が信頼するようになっていきました。つまり「半実名」はビジネスのビッグトレンド。この大きな流れが、仕事選びにも及んでいるのです。

 では、就活サイトにおける「半実名」はどういうことか。例えば私たちが運営する就活クチコミサイト「ONE CAREER」では、登録者全員の就活状況やメールアドレス、学生証などを認証し、その上で投稿するクチコミは匿名にしています。こうした仕組みが一番本当のことを言いやすく、リアルでクオリティの高い情報が集まると考えたためです。

 あるいは、社員クチコミサイト大手「ヴォーカーズ」も独自の基準を設けていて、それをクリアした上でクチコミを掲載できる仕組みなので、情報のクオリティは高い。

 こうした「半実名」による企業の情報サイトが、おそらく信頼性ある半匿名のクチコミ情報として、新時代の就活では重要になるのだと考えています。これからの学生は、企業中心の情報や得体の知れない完全匿名の情報から解放されて、信頼性のあるクチコミをもとに、就活するようになっていく。