社長だけでなく、みんなの視座を上げたい

武田:共同創業者が来ないという事態は、本当に想像できませんよね。では最後に、今度は現在、真剣に経営課題として頑張っていることを教えてください。

稲田:ものすごく真っすぐ書いちゃったんですが、今、弊社はSaaS事業をやっていて、1600社のお客さんがいて、さらにどんどん増えています。そんな中で、これまではプロダクトの品質や開発スピードが、選ばれる理由でした。

 ただ成長するとどうしても顧客ニーズも大量になります。まだ応えられていない要望がたくさんあります。そのすべてに応えることはできないけれど、やっぱり重要なのは開発です。だからこれからの1年で、私はプロダクトの開発チームを最低でも今の3倍の規模にしようと思っています。それをサポートしてもらえるとうれしいなと思います。

武田:ありがとうございます。庵原さんは「創業者がゆるい」。

庵原:会場に多くの投資家の皆さんがいらっしゃる中で、創業者が大事だというお話を別のセッションでも聞いたところなのに、「創業者がゆるい」となると駄目ですよね(笑)。

 ただ基本的に、ヤプリは体育会系の会社ではありません。それでも、僕も含めてみんなが視座を上げていきたいと思っています。売上高10億円で満足するのではく、やっぱり100億円や1000億円を目指していきたい。もっと上を見る必要があると思うんです。

 ただ、よくありがちなのが、社長だけICCサミットのようなイベントに参加して、いろんな学びを得て、「オレは100億円を目指す」となっても、ほかのメンバーが付いてこなくなるケースです。「社長、何言っているの?」とならないように、みんなで視座を上げていくのが、今の僕たちの経営課題です。

武田:ありがとうございました。加藤さんの「トップマネジメントの採用」とはどういう意味でしょう。

加藤:「CXO(最高○○責任者)」や「VP(ヴァイスプレジデント)」というクラスの人を採用しないといけないと思っています。組織や事業の成長キャパシティーは基本的に、マネジメントで決まりますから。

 キャディは創業メンバーが若くて、僕は28歳、共同創業者も29歳、社員の平均年齢も30歳くらいです。その中で、「この道10年」というような猛者に入ってほしいと思っていて、35歳前後の人を探しています。別に年齢で絞るわけではないけれど、やはり製造業について強い人が重要だと、改めて感じています。

武田:ありがとうございます。そろそろ時間となりました。最後に3人に抱負を伺いましょう。

稲田:お付き合いいただいてありがとうございました。私は建設・建築業界に人生を懸けていて、永続的に成長できる会社をつくりたいと思っています。建設・建築業界と、IT業界をかけ合わせて、アンドパッドというサービスが業界を変えた存在として、パッと想起いただけるような、ユニークな事業をつくり続けたいと思っています。

庵原:カッコよく言うと、テクノロジーの民主化を目指しています。これから先は、世の中の99%の普通の会社が、テクノロジーを活用して社会を変える時代になると思います。僕たちは、テクノロジーの敷居を下げるプラットフォームになって少しでも役に立ちたいですね。

加藤:私も、製造業を大きく前進させたいと思っています。製造業は圧倒的に規模が大きいですよね。そして私は、その中の一部を少し効率化するという話ではなく、受発注というお金のやり取りに関わる部分に携わりながら、製造業全体を大きく変え、多重下請け構造からフラットな構造に転換したいですね。そして確実に変わってきている感触もあります。一緒に世界を変えるマネジメント層も募集していますので、興味を持ってくれるとうれしいです。ありがとうございました。

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