「無礼講ースター(ぶれいこーすたー)」って何?

 仲山氏によると、「ストーミングは起こすものではなく、起きるもの」。フォーミング期を経て、チーム全体に「この組織で本音を言っても安全だ」という意識がメンバーに行きわたっていくと、自然と意見を言いやすい環境へ変わっていく。いわゆる「心理的安全性」の醸成だ。

 「フォーミングの第一歩は、互いの名前を覚えて、存在を認め合うことから。『ここに私はいていいんだ』『相手は自分のことを認知してくれている』という心理的安全性が確保されることで、集団的な試行錯誤を効果的にできるようになります」(仲山氏)

 「実際、皆さんがやったのと同じフラフープのアクティビティーを自己紹介なしでやってみると、5分以内でアッサリと終わることが多いんです(笑)。指が離れてもシレッとごまかしてたり、『できた!』と喜び合う瞬間もなく、シラーっと解散してしまったりして」と仲山氏は明かした。

 仲山氏は、楽天が社員20人程度だった頃からの創業メンバーだが、社内のチームビルディングにおいても、「まず丁寧にフォーミング」を実践してきた。同社で新卒の大量採用が始まった急成長期に新卒研修を任された際には、「半日かけて、150人が全員の名前を覚えるワーク」から始めたという。

 最近は組織のフォーミングを助けるツールも登場している。例えば、日本アンガーマネジメント協会が2018年に開発し、一般発売している“怒りのツボ当て”を楽しめるカードゲーム「アンガーマネジメントゲーム」もその一つだ。

 また井手氏が率いるヤッホーブルーイングが発売した、初回生産分が1分で完売したという「無礼講ースター(ぶれいこーすたー)」も、チームのフォーミングに役立つツールだ。コースター型のカードに書かれた、「一人○○に抵抗がない」といったお題に対して「イエス」か「ノー」か、カードを引いた親の答えを全員で予想し、その理由まで話すというもの。

 同社が推進する、ビールを介したチームビルディングである「チームビールディング」プロジェクトの一環として、先輩・後輩の立場を超えて、自由に発言できる雰囲気づくりに役立つという。

ヤッホーブルーイングが発売し、1分で完売したという「無礼講ースター(ぶれいこーすたー)」
ヤッホーブルーイングが発売し、1分で完売したという「無礼講ースター(ぶれいこーすたー)」

 では、そのヤッホーブルーイングが仲山氏のチームビルディング講座に頼った理由は何だったのか。明日公開予定の後編では、井手氏がチームビルディング講座を受けた事情と、その結果について紹介しよう。

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