意見を出し合えるチーム、つくれていますか?

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 「一見、良さそうな項目とダメそうな項目が混じっているように感じるかもしれませんが、これに一つでも当てはまると、その組織はフォーミング期の可能性が高いです。フォーミング期の特徴は、『空気を読んで言いたいことを言わずにガマンする』という雰囲気です。そこから相互理解が進んだ場合、本音を言いやすくなることで意見の対立・衝突が表面化すると、『チームの雰囲気が悪くなってきたから、問題が大きくならないように元に戻そう』とする人がいます。そうすると、フォーミング期から先に進めなくなります。これらの『空気を読んで遠慮する』『対立を恐れて仲裁する』のがフォーミング体質です」(仲山氏)

 このフォーミング期の状況について、参加者が体験したフラフープのワークに置き換えて説明する。「途中、『目をつぶってやってみよう』という意見が出た時、実は『そんなのうまくいくわけがないだろう』と内心反発していた人、いませんでした? あ、いましたね(笑)。それを口に出したら、相手がカチンと来たり、モヤっとしたりする場合があります。何となく雰囲気が悪くなってきたと感じて、『ヤバい、ヤバい。さっきの仲が良い雰囲気に戻さなきゃ』と思う人も出てきます」(仲山氏)

 しかしながら、フラフープのアクティビティーで実際起こったように、意見を出し合って試行錯誤を繰り返した方がパフォーマンスは確実に上がる。むしろメンバーの全員が「同調」を好むフォーミング状態で結果を出そうとすると、「悪い意味の忖度(そんたく)の結果としての不祥事」を招くなど、かえってリスクが増すというのだ。

 「対立や衝突はネガティブなイメージがあり、一時的な生産性は下がるので、多くの人が避けたがる傾向にありますが、実はチームの成長には必要なプロセス。成長ステージの全体像を理解していることが大切なんです。リーダーだけでなく、メンバーも『衝突の先に成長がある』という地図を共有できていれば、『これから“谷”に突入するけれど、みんなで乗り越えようね』という共通認識を持ちながら建設的に試行錯誤することができるようになります」(仲山氏)

 組織の成長に欠かせない、ストーミング期。だからといって、リーダーが意図的に衝突を起こそうとしても逆効果になる場合があるという。

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