全6743文字

 スタートアップ企業から大企業まで、経営者や経営幹部、各分野のリーダーたちが集まってビジネスコンテストやトークセッションなどを繰り広げる「Industry Co-Creation(ICC)サミット」。大きな影響力を持つこのイベントで、旬の起業家・経営者たちは何を語り合っているのか。またビジネスコンテストでは、どのようなスタートアップ企業が注目を集めたのか。

 日経ビジネスでは、2019年2月に福岡で開催された「ICCサミット FUKUOKA 2019」を取材。同サミットで注目を集めた起業家たちのインタビューや、話題を集めた旬の経営者たちのトークセッションを紹介する。今、実際にイノベーションを起こしている起業家、経営者たちの視点を知れば、新時代のビジネストレンドが見えてくる。

 「ICCサミット FUKUOKA 2019」では開催期間中、計70以上のセッションが開催された。その中でもサミット終了後の参加者投票で最も満足度が高かったのが、イベント最終日に開催された「『子育て経営学』――私たちは子供をどう育てていくのか?」だった。日経ビジネス電子版で連載中の「僕らの子育て」をベースに、2018年には書籍『子育て経営学』も発売されている。

 本書とタッグを組んだトークセッションの満足度が高かったという事実からは、「子育て」と「経営」や「人育て」に深い関係があることが見えてくる。果たして、どんなトークセッションだったのだろうか。今回はその後編

(構成/宮本恵理子)

トークセッションに登壇した6人。(左から)早稲田大学ビジネススクール准教授・入山章栄氏、リブライトパートナーズ代表パートナー・蛯原健氏、楽天CPO(チーフ・ピープル・オフィサー)・小林正忠氏、ポピンズ代表取締役社長・轟麻衣子氏、太宰府天満宮権宮司・西高辻信宏氏、そしてモデレーターを務めたUBS証券マネージングディレクターの武田純人氏

UBS証券マネージングディレクター・武田純人氏(以下、武田):セッションの前半は、皆さんの子育ての工夫について伺いました。次に聞きたいのが、このようなテーマです。皆さん、組織経営および経営学に関わる方々ということで、「経営と子育ての共通点」についてはいかがでしょうか。

楽天CPO(チーフ・ピープル・オフィサー)・小林正忠氏(以下、小林):実は皆さんと話をするまで、僕の中では子育てと経営は全く結びついていませんでした。普段から仕事とプライベートの線引きをせずに生きているので、結びつきすぎていて分からない、というのかな。

 でも先ほど轟さんがおっしゃった「夫婦で家族の軸を決める」というキーワードを聞いて腑に落ちました(詳細は前編「旅、議論、天神様!旬の経営者らが明かす子育ての極意」)。パートナーと話し合って方針を決め、情報共有をしながら進捗確認をしていく。これって経営と同じだな、と。

早稲田大学ビジネススクール准教授・入山章栄氏(以下、入山):僕は学者の立場ですが、おそらく一番の共通点だと思うのがリーダーシップです。子どもは最も成長させたい相手でありながら、最も思うようにならない相手でもある。だから、これほどリーダーシップを学べる機会はないと思います。

小林:入山先生、リーダーシップって先天ですか、後天ですか。