アニメやアイドルのお気に入りキャラクターなどの「推し」を、ファンやオタクが応援する「推し活」。若者を中心に推し活に励む人は多い一方、グッズの高額転売やSNS(交流サイト)上での取引でトラブルが発生するなど、純粋なファンの頭を悩ませることがしばしばある。そうした中で人材派遣会社が新規事業として定価での取引を基本とするグッズ取引プラットフォームを立ち上げた。立ち上げたのはオタクを自称する社員だ。
人材派遣を主力とするエントリー(東京・新宿)は2022年11月、新規事業として会員制ウェブサイト「osikatsu(オシカツ)」をローンチした。アニメやアイドルのグッズの買い取りや交換などをしたい人が、情報発信と実際の取引をするためのプラットフォームだ。フリマアプリに代表される既存の2次流通では、人気が高いグッズは価格が高騰してしまいがち。オシカツはそれとは異なり、定価での取引が基本という点が特徴だ。

オシカツでの取引の流れは以下の通りだ。まずユーザーはサイトでアカウント作成などの登録をする。そして例えばあるグッズを他人に定価で譲りたい場合、そのグッズの写真や取引条件をサイトに書き込む。すると、連携している自分のツイッターアカウントからサイトのリンクとともに記入した内容が投稿される。購入希望者は投稿されたツイートのリンクから取引ページに飛び、オシカツのサイト内で決済するという仕組みだ。グッズ同士の交換や、欲しいグッズを売ってくれる人の募集なども投稿できる。買い取り金額の10%は手数料としてエントリー側が受け取る。
今や「推し活」は若者を中心に日常となっており、推しのグッズを買う人も多い。SHIBUYA109エンタテイメント(東京・渋谷)が運営するZ世代に特化したマーケティングチームのSHIBUYA109 lab.が21年に実施した調査で、推し活の実態が明らかになった。15~24歳のZ世代の女性を対象にしたアンケートでは、全体の約76%が「自分は何かしらのオタク」と回答した。そのうちの約66%が公式グッズを買っていると答えている。オシカツのターゲットになり得る人口は多い。
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