年末に向けてメルカリなどフリーマーケット(フリマ)への出品が拡大し、提携するヤマト運輸は一部システムでトラブルが生じた。物流業界にとって欠かせない存在となったフリマ市場だが、急成長に対応するにはIT(情報技術)投資の加速も不可欠だ。

「荷物の発送が遅れたらどうしよう」。新型コロナウイルス禍がどうにか小康状態を保ち、クリスマスでにぎわっていた12月25日。ツイッターをはじめSNS(交流サイト)の一部では、こんな不安の声でざわついていた。
ヤマト運輸が手がける「ネコピット」というシステムが同日夕方から不安定になり、直営の配送所によっては26日も「アクセス集中により現在、伝票を作成する端末を使用できません」という張り紙を出していた。複数の配送所に問い合わせたところ、「年末に向けた大掃除によってフリマでの取引が急増し、全国あちこちで端末を使うお客さんが増えたのではないか」といった答えが返ってきた。
このシステムはメルカリや楽天グループの「ラクマ」などと連係している。個人がスマートフォンのアプリ上で「ヤマトの営業所へ持ち込んで発送」という選択肢をクリックすると、QRコードが表示される。このコードをネコピットの端末にかざすと、伝票一式がプリントアウトされる。あとは店員に渡すだけなので、本来なら便利なシステムだ。
フリマで送る荷物は、コンビニで発送の手続きも可能だ。ただ、配送業社がいつコンビニに来て集荷するかが分かりづらい。このため、確実にタイミングの分かる物流会社の配送所へ行くユーザーも少なくないようだ。
発送と配送のスピードはフリマサービスの特性上、送り主の評価にも関わってくる。売りたい品物について、買い手が現れてから何日程度で発送するかは大まかな期間を選べるようにはなっているものの、早めの発送にしたほうが売買が成立しやすいというアドバイスも画面上に表示されるという。このため「1~2日程度」を指定しておき、買い手に選んでもらおうとするユーザーも多い。さらに取引画面で発送のタイミングも、その後の配送状況も見られる。
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