年末恒例「今年の漢字」の1位から3位はすべて新型コロナウイルス関連だった。生活や仕事にここまで大きな影響があった出来事は人生で今までになかったというのが筆者を含めた多くの人の感想だろう。国をまたいだ往来も事実上不可能になり、今までより外国を少し遠く感じるようになった人も多いはずだ。ビジネス面では海外での売り上げ増は日本企業にとっての不変の課題であるにもかかわらず、駐在員の帰国などで現地の生の情報を得る機会が減ったという声も聞く。
筆者が専門とする中国についても同様だ。倍々ゲームの成長はとっくに終わり、米中貿易戦争や中国政府によるプラットフォーム規制の動きなど不安定要因も多い。にもかかわらず中国市場の動きはなかなか伝わってこない……。そうした悩みを聞くこともあったので、今年の中国市場の振り返りの意味も込めて、大手ネット企業の1年の動きを凝縮して紹介していこうと思う。便宜的なものだが創業年が20世紀(2000年以前)か21世紀かで2回に分けてお届けしたい。そこから見えてきたのは新型コロナの影響より、むしろ好調な足元の業績であり、それぞれが直面する苦難だ。
今回は以下の企業を取り上げる。 ・アリババ集団 ・京東(JD.com) ・騰訊控股(テンセント) ・百度(バイドゥ) ・網易(ネットイース)
また後編では以下の企業を取り上げる。 ・字節跳動(バイトダンス) ・快手(kwai) ・美団点評(メイトゥアン) ・拼多多(ピンドゥオドゥオ) ・ビリビリ動画
では各企業の動向を見ていこう
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り7984文字 / 全文8683文字
-
有料会員(月額プラン)は初月無料!
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題
日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「Views」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
ウェビナー開催 西口一希氏とミスミに学ぶ 会社を成長させる「顧客理解」

これまで約40社の経営を支援してきたStrategy Partners代表の西口一希氏。「成長の壁」に悩む多くの経営者に対して「企業の成長に伴い、顧客よりも財務の数字や組織運営に関心を向けてしまう問題」の大きさを指摘してきました。
日経ビジネスLIVEでは、成長の壁に悩む経営者や事業責任者、さらに現場で取り組む層に向け、西口氏が『顧客起点の経営』について語るウェビナーを2週連続で開催します。ぜひご参加ください。
■第1回:2022年7月5日(火)19:00~20:00(予定)
■テーマ:なぜ企業の成長は止まるのか? すべてのカギを握る顧客理解
■講師:『顧客起点の経営』著者・Strategy Partners代表 西口一希氏
■第2回:2022年7月12日(火)19:00~20:00(予定)
■テーマ:顧客を分析、ニーズに対応して急成長 ミスミ「meviy(メビ―)」事業に学ぶ
■講師:西口一希氏、ミスミグループ本社 常務執行役員meviy事業担当・ID企業体社長 吉田光伸氏
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料(事前登録制、先着順)。
Powered by リゾーム?