「まさかトーンモバイルがドコモの仲間になるとは……」。フリービット傘下のMVNO(仮想移動体通信事業者)であるトーンライフスタイルが、こんなメッセージのウェブCMを配信している。NTTドコモの「エコノミーMVNO」に参画し、12月22日から全国のドコモショップで契約やサポートが受けられるようになったからだ。

 トーンモバイルが展開する料金プランは、iPhone向けの「TONE for iPhone」。塾へ通い始める小学校高学年から中学生、高校生をターゲットにし、動画以外のインターネット使い放題とアプリの利用制限や端末の所在地を把握する見守り機能が付いて月1408円(税込み)だ。データ容量が多く高速通信が必要な動画視聴時には1ギガ(ギガは10億)バイト当たり370円の追加料金が必要となる。

親のスマホから遠隔で、子供が使うスマホのアプリ利用を制限できるのが特徴だ
親のスマホから遠隔で、子供が使うスマホのアプリ利用を制限できるのが特徴だ

 2013年のサービス開始から8年が経過したトーンモバイル。見守り機能を売りにして子供やシニア向けに特化することで、料金競争から距離を置き、月次ベースでは黒字化を達成しているという。ただ、販路の開拓には苦労してきた。

 当初は直営店の展開を進めたが限界があり、15年にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と資本提携してTSUTAYAでの店頭販売を始めた。しかしTSUTAYAを実際に運営しているフランチャイジーがなかなか取り扱わず、提携先を同じCCCグループの「カメラのキタムラ」に変更。8年かけて開拓できた販路は112店舗にとどまっていた。12月からドコモショップでの取り扱いが始まることで、販路は一気に2422店舗へ増える。

 ドコモが調達する新品のiPhoneと組み合わせての販売も可能になる。iPhoneはターゲット層である中高生の間で人気が高いが、米アップルは原則として大手通信事業者としか取引をしない。そのためトーンモバイルではこれまで、親が使わなくなって家庭内に眠っているiPhoneの“お下がり”を使うよう訴求してきた経緯がある。フリービット社長CEO(最高経営責任者)兼CTO(最高技術責任者)の石田宏樹氏は「ドコモショップで取り扱ってもらえることは非常に大きい」と話す。

 エコノミーMVNOに参画する事業者は「OCN モバイル ONE」を展開するNTTコミュニケーションズ(NTTコム)に続き2社目だ。しかしトーンモバイルに続く動きは今のところ見えていない。“ドコモの仲間”になることが、MVNO各社にとってプラスになるのかマイナスになるのか、業界内で疑念が渦巻いているからだ。

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