危機が頂点に達したのは6月
T2Mの中国拠点でシニア設計エンジニアを務めるブリーズ・フェン氏は、東莞市の工場で製品が製造され、コンテナに収められるまでを見届ける。コンテナはトラックで香港に送られた後、米西海岸行きの貨物船に載せられる。
フェン氏によると、危機が頂点に達したのは6月のこと。ちょうど年末商戦までに米国に配送できるよう詰めの作業を行っていた時だった。コンテナ確保を試みたがかなわず、「なすすべもなかった」という。
東莞市の工場では、青いガウンと白いキャップを着用した従業員らが列をなし、ゲーム機の組み立てとチェックにあたっている。

工場で取材に応じたフェン氏は、10月には状況が緩和したように思えたと語る。しかし、オミクロン変異株が出てきてからは「以前のような状態に戻れるのか、心配は尽きない」。
T2Mはボストンの倉庫に製品を届ける新たなルートを探らざるを得なくなった。同社には通常、月に1、2個のコンテナが届く。1個につき4万台の機器を収納できる。
過去には最短距離でコストの安いパナマ運河経由のルートで輸送していたが、港湾の混雑によってこのルートの利用は難しくなった。今では、コンテナはロサンゼルス港に着いた後、鉄道でニュージャージー州ニューアークの通関に送られ、そこからトラックでボストン郊外の倉庫に届く。その後、製品を仕分けしてケンタッキー州にある小売り大手の配送センターにトラックで届けるという手順だ。
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