コンサルティング大手のアクセンチュアは、データ分析のALBERT(アルベルト)を買収した。ここ数年、アクセンチュアは日本でM&A(合併・買収)を積極的に仕掛けているが、TOB(株式公開買い付け)は初めて。1株当たりの買い取り価格は9180円と、直前の株価の2倍超という異例の高額買収となった。業容拡大に突き進むアクセンチュアに対し、「ライバル」たちは警戒感を高めている。

 「買収は戦略上の必然だった。TOBが判断の障害になったことはない」

 アクセンチュアの金若秀樹常務執行役員は日経ビジネスの取材に対し、こう語った。アクセンチュアはここ数年、日本でM&A(合併・買収)を活発化させているが、買収対象は非上場企業が中心。買収価格が高くなりがちな上場企業の買収に踏み切ったことは、周囲を驚かせた。しかも、TOBで現行の株価に上乗せするプレミアムは30~40%程度が相場。今回はプレミアムが120%超と異例の高額買収となった。

アクセンチュアの金若常務執行役員は、データ分析とコンサルティングの人材が融合している点が同社の強みだと語る(写真:厚地健太郎)
アクセンチュアの金若常務執行役員は、データ分析とコンサルティングの人材が融合している点が同社の強みだと語る(写真:厚地健太郎)

 その狙いは、アルベルトのデータサイエンティストら約250人の取り込みだ。アルベルトは2005年に設立し、15年に上場した。大学の研究室を巡るなどして人材を集め、正社員のデータサイエンティストの7割が修士号・博士号を持つ。

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