残る重要な疑問点は、1)オミクロン株がワクチンや過去の感染による免疫機能をすり抜けるか、2)既存株に比べてどの程度の重症化を招くか、3)年齢層によって重症度が異なるか──などだ。

 ロイターが取材した科学者3人は、これらの疑問が3、4週間中に解明されると予想している。

 一方、南アでは諸外国の渡航禁止措置に対して大きな怒りがわき起こっており、一部は科学者にも向けられている。アモアコ氏の元には、新株の調査をやめるべきだった、という怒りのメッセージがいくつか寄せられた。

 新型コロナ研究に取り組むステレンボッシュ大学のウイルス学者、ウォルフガング・プリーザー氏も憎悪のメールを受け取った。同氏は、諸外国が今回のてん末を教訓に、情報公開に及び腰になる可能性を懸念している。

 「他の国々が事実を隠したり、いっそのこと検査を控えたりする動機になるかもしれない。それが怖い。検査には相当な投資が必要なのだから、『わざわざ検査するのは止めておこう』となるかもしれない」とプリーザー氏は案じた。

(Tim Cocks記者)

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