コンチネンタル・リソーシズのベリーCEOは最近の決算発表の電話会議で「不安定な供給超過市場になってもおかしくないところで、あえて過剰に生産することが、業界のどの関係者にとっても適切とは思わない」と語った。

先進国の低在庫がリスク

 幾つかのOPEC非加盟産油国は増産に動いている。新興産油国の1つ、ガイアナは、エクソンモービルが運営する洋上設備で来年初めに生産能力を日量22万バレル拡大する方針。ブラジル国営石油会社ペトロブラスは、8月に生産を開始したサントス海盆の深海油田「セピア」で18万バレル生産を増やそうとしている。

 ウッド・マッケンジーのバイスプレジデント、アン・ルイーズ・ヒトル氏は、カナダの原油供給も来年第1・四半期に約10万バレル増加する可能性があると述べた。ただ、同国の石油企業の生産姿勢も米国やOPEC同様に抑制的だと付け加えた。

 ヒトル氏によると、来年第1・四半期に世界全体の原油供給は日量9980万バレルとなり、想定される需要の9890万バレルより多くなる。

 それでもFGEは、先進国の在庫が6年ぶりの低水準にとどまっている以上、市場の需給バランスが早急に変化しないかもしれないとくぎを刺す。「原油価格は恐らく、先月のピークから下落傾向をたどる。しかし現在の在庫の低さにより、今後数カ月中は価格が上振れるリスクがくすぶり続ける」という。

(Stephanie Kelly記者、Noah Browning記者、Sabrina Valle 記者)

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