来年になればガソリンは値下がりするだろうか。その大前提になるのは、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国でつくる「OPECプラス」、および米シェール業界が積極的な増産に乗り出すことだ。

 今年は世界の石油業界全体が需要急増への対応が鈍く、エネルギー価格高騰と物価上昇圧力の高まりをもたらした。新型コロナウイルスで痛手を受けていた各地の経済が回復し、人々が車や鉄道、航空機などの利用を再開するとともに、石油需要はほぼコロナ禍前の水準に回復。その半面、供給は需要の伸びほど急速には持ち直していない。

来年になればガソリンは値下がりするだろうか。その大前提になるのは、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国でつくる「OPECプラス」、および米シェール業界が積極的な増産に乗り出すことだ。写真はシェルのガソリンスタンド、5月にワシントンで撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)
来年になればガソリンは値下がりするだろうか。その大前提になるのは、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国でつくる「OPECプラス」、および米シェール業界が積極的な増産に乗り出すことだ。写真はシェルのガソリンスタンド、5月にワシントンで撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)

 原油の国際指標価格は数年来の高値である1バレル=86ドル超に達し、一部エコノミストは今後価格が100ドルを突破して景気回復に脅威を与えると警告している。

 国際エネルギー機関(IEA)は、来年第1・四半期には原油市場が供給超過に転じ、超過幅は日量110万バレルになって価格の過熱感を和らげてくれると予想する。供給超過幅は第2・四半期には220万バレルに拡大するという。

 ただ、この見通しは、OPECプラスがパンデミック中に決めた協調減産規模をゆっくりと縮小する中で、毎月日量40万バレルの増産ペースを守るというのが条件だ。ところがIEAが16日に公表した月報を見ると、OPECプラスの増産実績は目標にほど遠い。9月と10月の生産量は目標より70万バレルも少なかったからだ。これは主にナイジェリアとアンゴラに起因し、両国が抱える保守管理と投資を巡る問題は来年の生産にも影響を及ぼす公算が大きい。

 こうした低調な生産ペースが続くとすれば、第1・四半期に想定される供給超過分が帳消しとなり、需給ひっ迫がより長期化しかねない。当のIEAでさえ、供給増が価格をある程度抑えると言いながらも、来年の原油の平均価格予想を79.40ドルに引き上げた。

次ページ 増産が可能なのは米国のシェール?