資産運用会社で働くフィル・オーランド氏が、これほど多くの市場参加者からスタグフレーションの話を聞くのは、自身が金融ジャーナリストだった1970年代終盤以来だ。当時は原油価格が高騰し、物価上昇率は現在の2倍以上だった。

 フェデレーテッド・ハーミーズのチーフ株式市場ストラテジストのオーランド氏は今、景気減速と物価上昇が同時に進むスタグフレーションが再燃する態勢になっていると語り、高インフレと経済成長減速の局面を乗り切れる銘柄に資金を集中させつつある。

 「(足元の)物価の急上昇は米連邦準備理事会(FRB)やバイデン政権がわれわれに告げてきたような一過性の現象ではないと分かってきた。成長がピークを過ぎてもしつこく続いている」と、オーランド氏は話す。

 実際、9月の米消費者物価指数(CPI)は前年比5.4%上昇。年間で1990年以来最も高い伸びになるペースで推移している。アナリストは、商品価格の高騰から新型コロナウイルスを受けた総額約5兆3000億ドルの政府による刺激策まで、あらゆる要素が物価を押し上げたと分析する。一方、第3・四半期の米国内総生産(GDP)は前期比2.7%増と、第2・四半期の6.7%増から鈍化が見込まれる。

 
資産運用会社で働くフィル・オーランド氏が、これほど多くの市場参加者からスタグフレーションの話を聞くのは、自身が金融ジャーナリストだった1970年代終盤以来だ。写真は6月、ニューヨーク証券取引所前で撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)
資産運用会社で働くフィル・オーランド氏が、これほど多くの市場参加者からスタグフレーションの話を聞くのは、自身が金融ジャーナリストだった1970年代終盤以来だ。写真は6月、ニューヨーク証券取引所前で撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)

 ほとんどのエコノミストは、スタグフレーションが不可避だとはみていない。FRBも物価高は一時的だと言い続けている。S&P総合500種は年初来で22.1%上がり、なお過去最高値圏にある。

 それでも多くの投資家は、過去のスタグフレーションが資産価格を目減りさせた点に警戒感をのぞかせる。

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