企業幹部は気をつけた方がいい。最高経営責任者(CEO)や経営幹部に注がれる観察の目はますます厳しいものになり、「舌は禍の根」になる可能性が高まっている。

 投資家の間では、彼らの発言パターンや声の調子について人工知能(AI)による学習・分析を行う動きが注目を集めている。

 音声パターン分析ソフトウエアの専門家であるイワン・シュニドマン氏によれば、2020年末、サプライチェーンの混乱についての見解を述べる中で、IT産業の経営幹部からは半導体不足に陥る可能性を低く見る発言が聞かれた。

 「何も問題はない」と彼らは語っていた。

 だが、発言に隠された手掛りを発見することを目的とするアルゴリズム分析によれば、そのトーンには高いレベルの不確実性が表われていた。

 「IT産業幹部らの発言は、言葉の上では楽観的な見方を示していたが、そのトーンは内容と矛盾していた」とシュニドマン氏は言う。同氏はその分析を支えるフィンテック企業2社にアドバイスを提供している。

企業幹部は気をつけた方がいい。最高経営責任者(CEO)や経営幹部に注がれる観察の目はますます厳しいものになり、「舌は禍の根」になる可能性が高まっている。写真はPC作業のイメージ。2013年2月撮影(2021年 ロイター/Kacper Pempel)
企業幹部は気をつけた方がいい。最高経営責任者(CEO)や経営幹部に注がれる観察の目はますます厳しいものになり、「舌は禍の根」になる可能性が高まっている。写真はPC作業のイメージ。2013年2月撮影(2021年 ロイター/Kacper Pempel)

 こうしたコメントから数カ月も経たないうちに、フォルクスワーゲンやフォードなどの企業が、深刻な半導体不足により生産に影響が出るとの警告を発するようになった。自動車メーカーや工業部門企業の株価は下落した。IT企業幹部は供給ひっ迫を口にするようになった。

 コンピューター主導のクオンツファンドが、文面どおりの発言に対する評価ではなく発言のトーンに対する評価に着目していれば、産業界の混乱に先手を打って対応できただろうというのがシュニドマン氏の考えだ。

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