米国全土では何千人もの労働者が賃上げや働く環境の改善を求めてストライキを続けている。ハリウッドのメークアップアーチストやカメラ技術者らは週末に交渉がまとまってストを回避したものの、ストを行っている労働者は雇用市場の需給ひっ迫などによって一段と意気軒昂の様子だ。

 加工食品大手ケロッグの北米におけるフロストフレーク生産をほぼ一手に担うテネシー州メンフィスのシリアル工場で働くケビン・ブラッドショーさんは、会社が約1400人の従業員を対象に医療保険や退職給付金、休暇などの削減を進めていることに心中穏やかでいられない1人。テネシーやペンシルベニア、ネブラスカ、ミシガンにある同社の工場では、対象従業員が5日からストに入った。

 メンフィス工場に置かれた「パン・菓子・たばこ労働者および穀物製粉者の国際組合」の副支部長を務めるブラッドショーさんは「もういい加減にしてほしい。われわれは過去最高の業績になった企業に何かを与え続けることなどできない」と語気を強める。

米国全土では何千人もの労働者が賃上げや働く環境の改善を求めてストライキを続けている。ニューヨークのブラックロック本社前で7月28日撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)
米国全土では何千人もの労働者が賃上げや働く環境の改善を求めてストライキを続けている。ニューヨークのブラックロック本社前で7月28日撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)

 ハリウッドの制作スタッフ6万人は16日にストを回避したが、その直前までいったことは、わずかばかりの賃上げや賃金据え置き、その他の条件悪化にはうんざりだという組合員の声がいかに強いかを物語っている。今回ケロッグ側からコメントは得られなかったが、同社はこれまで報酬の水準は業界トップだと言い続けてきた。

 労組関係者が不満を抱くのは、新型コロナウイルス危機の際に多くの組合員がいわゆるエッセンシャルワーカーだとみなされていたのに、経営側からそれに見合う扱いを受けていない点だ。ただバイデン政権が労働者に同情的なことや、8月に労働市場から退出した人が過去最大を記録するなど人手不足が進んでいる流れを受け、労組は企業がどこまで報いる決意があるのかとことん試そうとしている。

続きを読む 2/3 より大きな分け前

この記事はシリーズ「Views」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。