2020年、世界ラリー選手権(ワールド・ラリー・チャンピオンシップ:WRC)が日本にやって来ます。

 最終戦となる第14戦として、11月19日~22日に開催されます。「縁の下の英雄たち~コドライバーだよ、人生は」を連載させていただいて、ビジネスパーソンとラリーをなんとかつなごうと悪戦苦闘? していた私にとって、待ちに待っていた朗報です。

 ラリー? F1なら分かるけど……という方も多いと思います。残念ながら、連載はかなりの部分が読めなくなっていますが、まだ残っている部分で、ラリーがどんなスポーツか、また日本の自動車メーカー、トヨタとWRCとの関わりがお読みいただけます。

 連載も終わってしまい、ここで詳しく「ラリー」について語ることはできませんが、「市販に近い車が、ありえないスピードで街中や大自然を走り抜けていく」というところがWRCの最大の面白さ。ドライバー、コドライバー(ナビゲーター)らの技術や精神力、メカニックたちの不撓不屈ぶりなど、車と、それに取り組む人々の、人間くさい魅力が詰まったモータースポーツです。スピードエリートたちのF1とはひと味違う、日常とつながった非日常なのです。

ラリー・ジャパン10年ぶりに復活

 ラリー・ジャパンは、2004年から北海道の十勝地方で開催されていましたが、2010年を最後にWRCカレンダーから消えていました。10年ぶりに復活する新生ラリー・ジャパンの舞台は、愛知県(名古屋市、岡崎市、豊田市、新城市、長久手市、設楽町)と岐阜県(中津川市、恵那市)の公道。ラリーは路面の違いから、主にグラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)に分けられますが、今度のラリー・ジャパンはターマックです。

ラウンド開催国路面日程
第1戦 モナコ(モンテカルロ)雪&ターマック1月23~26日
第2戦スウェーデン2月13~16日
第3戦メキシコグラベル3月12~15日
第4戦チリグラベル4月16~19日
第5戦アルゼンチングラベル4月30~5月3日
第6戦ポルトガルグラベル5月21~24日
第7戦イタリアグラベル6月4~7日
第8戦ケニアグラベル7月16~19日
第9戦フィンランドグラベル8月6~9日
第10戦ニュージーランドグラベル9月3~6日
第11戦トルコグラベル9月24~27日
第12戦ドイツターマック10月15~18日
第13戦英国グラベル10月29~11月1日
第14戦日本ターマック11月19~22日

 本来、今年に開催されるはずだったラリー・ジャパンが実現しなかった背景については、こちらの記事で触れました。開催確実と言われながら、まさかの落選となった昨年からこの正式発表に至るまでの1年、招致活動に携わってこられた方々への風当たりは、強いものがあったと思います。「お前が前回書いた記事も相当手厳しかっただろう」と言われれば、「申し訳ないです」と、平謝りするしかないのですが、粘り強く招致活動を続けてくださった皆様のおかげで、2020年の開催が決定しました。

ラリー・ジャパン開催決定の知らせが9月27日にアナウンスされた。写真は左から、日本自動車連盟モータースポーツ部長の村田浩一氏、FIA(国際自動車連盟)会長のジャン・トッド氏、ラリー・ジャパン招致準備委員会の坂井正治氏、WRCプロモーター代表のオリバー・シースラ氏(写真: RALLY JAPAN)
ラリー・ジャパン開催決定の知らせが9月27日にアナウンスされた。写真は左から、日本自動車連盟モータースポーツ部長の村田浩一氏、FIA(国際自動車連盟)会長のジャン・トッド氏、ラリー・ジャパン招致準備委員会の坂井正治氏、WRCプロモーター代表のオリバー・シースラ氏(写真: RALLY JAPAN)

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