米電気自動車(EV)大手テスラが7日、カリフォルニア州パロアルトの本社をテキサス州オースティンに移すと発表したことで、EV業界では雇用を南部や西部の州へとシフトする流れが加速する。

 南部、西部は共和党支持者が優勢な「赤い州」が多く、全般に税負担が軽く、規制が緩い上に、労働組合の組織率が低い。しかし国内におけるEVの主要な販売市場は、沿岸部に多い、民主党支持者が支配的な「青い州」。それだけにテスラの本社移転はEV業界の雇用を巡る州間の競争を激化させ、政治的な色彩も帯びる。

 カリフォルニアなど青い州には、EVの購入者や、EVメーカーの投資家が多く、こうした人々は強力な気候変動政策を支持している。

 一方、赤い州の多くがEV業界の雇用を獲得している。これらの州の共和党知事は化石燃料業界を支持しつつ、補助金や規制緩和の導入によりEVメーカーとその雇用の受け入れに前向きだ。

米電気自動車(EV)大手テスラが10月7日、カリフォルニア州パロアルトの本社をテキサス州オースティンに移すと発表したことで、EV業界では雇用を南部や西部の州へとシフトする流れが加速する。写真は同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)。2013年3月、オースティンで撮影(2021年 ロイター/Gerry Shih)
米電気自動車(EV)大手テスラが10月7日、カリフォルニア州パロアルトの本社をテキサス州オースティンに移すと発表したことで、EV業界では雇用を南部や西部の州へとシフトする流れが加速する。写真は同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)。2013年3月、オースティンで撮影(2021年 ロイター/Gerry Shih)

 テキサス州のアボット知事も7日、テスラの発表を受けて、ツイッターに「テキサスはチャンスと技術革新の州だ。ようこそ」と投稿した。

 EV業界では新興や老舗のメーカーがテキサス、アリゾナ、オクラホマ、テネシー、ケンタッキーなど南部、西部州の新工場向けに投資した額は、計画ベースで既に計240億ドル(約2兆6800億円)に達している。

 テスラは、サンフランシスコ湾岸地区の活気あるハイテク産業の拠点から採用した従業員を引き留めながら、同時にテキサスのビジネス環境を生かすという、難しい課題に直面する。カリフォルニアやニューヨークなど政治的にリベラルな州にテスラ車の顧客が多いことも考慮に入れる必要がある。

続きを読む 2/3 労組の組織化に壁

この記事はシリーズ「Views」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。