世界の電気自動車(EV)バッテリー市場で3割強のシェアを持つ韓国の大手メーカーが今、深刻な技術者不足に直面している。世界的な競争が進むゼロエミッション車への移行の足かせとなりかねない事態だ。

 韓国のLGエネルギーソリューション(LGES)とSKオン、サムスンSDIは、世界の6大バッテリーメーカーに名を連ね、テスラやフォルクスワーゲン(VW)、フォード・モーターなどに製品を供給している。

 この3社がそろってロイターに、技術的な要求が膨らみ続ける中で研究開発や設計といった分野の専門家をそろえるのに苦戦していると打ち明けた。

 大手自動車会社からの要求ハードルは上がる一方だが、全固体バッテリーなど最先端の技術を維持する上で必要な訓練を受けた技術者を十分に探し出せないという。

世界の電気自動車(EV)バッテリー市場で3割強のシェアを持つ韓国の大手メーカーが今、深刻な技術者不足に直面している。写真は充電中のテスラ車。独ベルリンで2019年11月撮影(2021年 ロイター/Fabrizio Bensch)
世界の電気自動車(EV)バッテリー市場で3割強のシェアを持つ韓国の大手メーカーが今、深刻な技術者不足に直面している。写真は充電中のテスラ車。独ベルリンで2019年11月撮影(2021年 ロイター/Fabrizio Bensch)

 LGESのある幹部は「業界のこれほどの成長ぶりを間近で目にしてきたとはいえ、われわれは人材不足に見舞われているようだ。自前の人材を育てつつ、外部から集めることが重要だ」と語った。ライバル2社も同様の見方で、SKオンはこのセクターの拡大を「指数関数的(爆発的)」と描写した。

 実際、世界全体のバッテリー産業は過去5年で2倍の規模になり、韓国だけで研究開発・設計などの分野の大卒者の不足が約3000人に上っていることが、韓国バッテリー業協会の直近データで分かる。LGES、SKオン、サムスンSDIの従業員は合計で現在およそ1万9000人だ。

 韓国の人手不足は、世界のバッテリー市場で専門家がどんどん足りなくなっている状態の裏返しでもある。IHSマークイットの予想では、同市場規模は2025年までに3倍に拡大し、ほぼ900億ドルに達する。

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