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 八谷和彦さんのOpenSkyプロジェクトは、「『風の谷のナウシカ』に出てくるメーヴェそっくりの機体を実際に飛ばす」「日本で飛行機をゼロから作るという行為を人々の前に提示する」というパフォーマンス・アートだった。機体は完成し、空、それも自作機の本場である米国のオシコシ・エアショーの空を飛ぶという目的も達成できた。

 しかし、どうもこれで終わりではなさそうだ。

 OpenSkyの次の展開は、そしてOpenSkyを続けてきたことにより、八谷さんの目に見えてきた日本の航空の課題はなにか。「行ってきたよオシコシ」、インタビュー最終回です。

オシコシ・エアショーで、M-02Jを滑走路に引き出す際のスナップ。オシコシでは、人と飛行機がとても近い。

松浦:八谷さんにはオシコシでの飛行を「OpenSkyプロジェクトの締めにする」ような考えもありましたよね。

八谷:そうでしたね。行く前はそんなことも考えてました。

松浦:実際に行って飛行してみると、どうもこれでおしまいではなくてもっと続きそうな雰囲気になっているんですけれども、この先どうされますか。

八谷:オシコシで飛んだら、機体をどこかの博物館・美術館に寄贈するか買ってもらってOpenSkyプロジェクトを終える、ということも考えてはいました。でも、オシコシで飛んでみて、すごくたくさんのアメリカの人に興味を持ってもらえて、「この機体が実際に飛ぶところを、世界の色々な人に見てもらうことには意味があるな」というふうに考えが変わってきています。機体が美術館に収蔵されたら、もう僕が乗って飛ぶことはできなくなりますから、もう少し自分の手元に置いて、飛ばさなくちゃいけません。現段階では、来年の夏はヨーロッパに持って行って飛ばそうかと考えています。

松浦:それはカプロニの博物館で豚の飛行艇と並べるというお誘い(前回参照)と連動してですか。

八谷:もちろんそれもできるといいなと思っています。でもそれ以外の国、例えばフランスやドイツなど他の国でもM-02Jが飛ぶところを色々な人に見てもらいたい。見てもらって、それぞれの人なりにこの飛行機のことを感じてほしいということですね。

松浦:そうか。パフォーマンス・アートだから、飛ぶところを見てもらうという行為もまた、作品の一部なんだ。

八谷:欧州で飛ばすとなると、また金策から始めなくちゃいけません。どこでどうやって飛ばすかの段取りを付けるための準備も必要です。欧州での飛行を提案してきたミルコ・ペコラーリさんと連絡を取りつつ、来年もクラウドファンディングを実施することになるでしょうね。オシコシに行ったことで、僕はOpenSkyの次なる展開のための手掛かりを得た、ということだと思います。

松浦:終わるつもりで勝負したら、次があったってことですね。