「勇気があるね」と言われた
八谷:機体そのものに対する質問が多かったです。どうやって操縦するのかとか、自分も乗れるのか。販売するのか、とか。あと、「(ライト兄弟の)ライトフライヤーと似た操縦方法だね」とか、「君、勇気あるね!」というコメントが多かったのが日本と違ってましたね。
松浦:勇気。なるほど。
八谷:それと「ナウシカのファンです」という人も来てくれました。すごかったのは、米国でも「自分もメーヴェ作りたいな」と思っている人に会えたことです。2006年ごろ、OpenSkyプロジェクトが海外で知られ始めた時に、高校生だったアリアンさんはウェブページを見て「自分もメーヴェが作りたいんだ」とメールを送ってくれた んです。その彼に今回初めて会えました。
松浦:やっぱりそういう人がいたんですね。いないはずがないと思っていたけれど。
八谷:ショーそのものの雰囲気は、去年松浦さんが行って記事を書いているから、話さなくても大丈夫かな(記事はこちら)。とにかく明るくてノリがいいんですよね。その一方で米航空宇宙局(NASA)をはじめとしたハイテクのショーケースがあったり、学会みたいなセッションもあったりで、やることはちゃんとやっている。もちろん飛行機はがんがん飛びます。早朝から日没後まで、いつでもなにかしらが飛んでます。
こういうところに来たら、宣伝しなくちゃいけませんから、フライヤーを作ってあっちこっち回りました。例えば、「Horten Aircraft」ってドイツの無尾翼機メーカーがブース出してたので、そこにフライヤーを持って「同じ無尾翼機仲間ですね」とか挨拶に行ったりして。
松浦:無尾翼機仲間(笑)。もしかして、有名なホルテン兄弟の一族の会社ですか。
八谷:どうやらそうではなくて、ホルテン兄弟の遺族から了解を取って「ホルテン」という会社名にしたんだそうです。ホルテン兄弟の名前は無尾翼機では世界的ブランドですからね。今回オシコシに機体は持ってきていませんでしたけれど、彼らは「HX-2」という無尾翼の自家用機を開発していて、もうテスト飛行に入っています。「空飛ぶ自動車」みたいな流行とは別のところでも、世界には色々な飛行機を作っている人がたくさんいて、次々に新型機を飛行させているんです。
松浦:これはまた洗練された機体ですねえ。高い技術力を持っていそうだ。
八谷:松浦さんが記事を書いていたBlackFlyの「Opener(こちらの記事を参照のこと)」は今年も出ていて、フライヤー持って挨拶しにいって、いろいろ話を聞きましたよ。
松浦:印象はどうでした?
八谷:慎重だし堅実ですね。BlackFlyは、変な形をしていて、一見すると「あんなものが飛ぶのかな」を思っちゃいますよね。でも、2009年から開発を始めたそうで、彼ら本当に長期間、テストと試作を重ねてあそこまで持ってきています。それに作っている人達が若くて優秀です。僕はBlackFlyはものすごく注目しています。今年のクリスマスシーズンから一般販売を開始するそうで、電動で垂直離着陸する「空飛ぶクルマ」的機体は、彼らがリードするんじゃないかな、とさえ思ってます。
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