17年9月になると、当局は投資家保護と金融リスク抑制を理由に、イニシャル・コイン・オファリング(ICO、仮想通貨の新規発行による資金調達)を禁止。この規制によって仮想通貨取引プラットフォームが仮想通貨と法定通貨を交換することも不可能になり、大半のプラットフォームは閉鎖して海外に拠点を移した。

 同規制では、金融機関と決済サービス会社がICOと仮想通貨について、口座開設や登録、トレーディング、決済、清算などのサービスを展開することもできなくなった。

 人民銀行によると、18年7月までには、88の仮想通貨取引プラットフォームと85のICOプラットフォームが市場から撤退した。

厳格化され続ける理由

 過去1年間にビットコインなど主要仮想通貨の価格が高騰すると、中国では仮想通貨取引が再び活発化。投資家は既存の規制の抜け道を探り続けた。折しも政府が独自の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を開発し、主要国で初めての導入を目指していた局面だった。

 今年初めには、金融機関と決済サービス企業に対する仮想通貨関連サービス規制をさらに強化している。業界向けのある指令は、投機的なビットコイン売買が再燃し、「人民が保有する資産の安全性」が損なわれるとともに、通常の経済・金融秩序に混乱をもたらしていると指摘した。

 中国の多くの投資家は足元で、海外に拠点を移した中国系取引所が所有するプラットフォーム(Huobi、OKExなど)を利用していた。仮想通貨の国内店頭市場もまた活況を呈し、一時動きが止まっていたソーシャルメディアのチャットルームも復活した。

 バイナンスやMXCなど中国を重視した取引所では、中国の個人投資家がほんの数分でオンライン口座を開設することが可能。店頭市場で個人同士が、人民元と仮想通貨の交換を行うのも手助けしている。

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