フランスのパリに住むシルビア・バーバリーさんは、人生の大半を出張に費やさずに済むようになって喜んでいる。「パンデミック(感染症の世界的大流行)のおかげで、これまで当たり前だと思っていた働き方を一歩引いて見直さざるを得なくなったのは良かった」――。

 ペットフード大手、マース傘下のブランド、ロイヤルカナンで新興市場の地域責任者を務めるバーバリーさん。「自分の時間の80%を出張に費やす生活が戻って来ないのは非常にうれしい」と、パリの自宅オフィスから語った。

 出張に疲れた世界中の会社員が今、バーバリーさんと同じ気持ちを味わっている。出張という実入りの良い事業に頼ってきた航空会社、ホテル、会議センターにとっては悪い知らせだ。

 マースは今後とも、出張をパンデミック前の半分以下に抑え続けることを決めた。コスト削減に加え、環境、健康面を考慮した結果だという。利用する航空便は年間14万5000便減る計算だ。

9月9日、フランスのパリに住むシルビア・バーバリーさんは、人生の大半を出張に費やさずに済むようになって喜んでいる。写真は2009年4月、香港の空港で撮影(2021年 ロイター/Bobby Yip)
9月9日、フランスのパリに住むシルビア・バーバリーさんは、人生の大半を出張に費やさずに済むようになって喜んでいる。写真は2009年4月、香港の空港で撮影(2021年 ロイター/Bobby Yip)

 同社の職場改革担当グローバル・バイスプレジデント、ニチ・ブッシュ氏は、出張が減れば家族を持つ従業員にとって上級職に就くことの魅力が増す可能性もあると言う。

 かつての対面方式では、戦略や販売に関するイベントの出席者は100人程度だったが、オンラインなら700人が出席できると説明。「出張の必要性を、よりシビアに見極められるようになった」と述べた。

 世界的な出張専門の旅行会社、CWTのニクラス・アンドリーン最高執行責任者はビジネス旅行業界がパンデミック前の水準に戻るには「何年もかかるだろう」と覚悟している。

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