世界第2位の金消費国であるインドで、パンデミックによる婚礼の延期に伴い、伝統的に持参金の一部とされる金製品の需要が低下する中で、こうした若者の意識変化は福音となった。

 香港証券取引所に上場する周大福珠宝や六福集団といった中国の宝飾品小売大手は、各社のヘリテージ・ゴールド製品の売れ行きは、特に若い世代の消費者で好調だとしている。

 株式時価総額で中国最大の宝飾品販売企業である周大福によれば、2021年3月期には、中国本土における金製品の小売販売額全体のうち、ヘリテージ・ゴールドが40%を占めた。前年度は29%で、他の宝飾品に比べて成長が速いという。

若い世代の消費者の間でヘリテージ・ゴールドが人気に。写真は上海にある周大福の店舗で8月18日撮影(2021年 ロイター/Aly Song)
若い世代の消費者の間でヘリテージ・ゴールドが人気に。写真は上海にある周大福の店舗で8月18日撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

 特に若い世代の消費者の間でヘリテージ・ゴールドが人気となっている理由の1つは、愛国的でありたいという願望の表われだ。背景には、中国で事業展開する西側アパレルブランドが、新疆ウイグル自治区における人権侵害問題に対する懸念を表明したことへの反発がある。

 「若い世代は、中国経済が力をつけていく時期に成長した。彼らは中国の発展に対する自信が強く、西側文化に対する憧れが薄い」と語るのは、WGCチャイナのマネジングディレクター、ローランド・ワン氏。

 「彼らは、身につけるものや自宅の装飾を通じた表現で、日常生活にもっと中国の伝統文化を取り入れたいと思っている。ヘリテージ・ゴールドは、それを可能にしてくれる」

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