広がる投資範囲

 もっとも水利権は地域ごとに細かく区分され、規制も厳しい以上、水関連株ファンドが直接保有しているわけではない。こうしたファンドはその代わりに、水にかかわる事業を展開する上場企業に投資する、とモーニングスターのシニア・マネジャー・リサーチ・アナリスト、ボビー・ブルー氏は説明した。

 各水関連株ファンドが共通して保有するのは、米水道サービスのアメリカン・ウォーター・ワークスや、水質の計測・分析などを行う米ザイレム、水の安全な輸送に従事するスイスのジョージフィッシャーなどだ。

 とはいえ水の事業に特化する上場企業の数はとても少ない。セマティク・ウォーター・ファンド(資産2億8200万ドル)の共同マネジャー、サイモン・ゴッテリア氏は、世界中で投資可能な水の公益企業は25─30社程度で、水関連技術系の企業も「一握り」に過ぎないと明かした。

 モーニングスターのブルー氏は「誰もが水の分野で何か投資をしたがっているが、上場企業を通じてそれを実行するのは難しい」と指摘する。

 このため運用担当者は、他の事業とともに水関連の事業を展開する企業というより大きな母集団に目を向けている。これらの多くは、淡水化や灌漑、汚染防止といった分野に軸足を置く企業だ。

 ピクテ・ウォーター・ストラテジー(資産92億ドル)のマネジャー、セドリック・ルキャム氏に話を聞くと、同ファンドが水にかかわるそれなりの事業を持つと特定した企業は360社に上る。7月末時点で保有株が最も多いのは水質検査部門を傘下に抱えるダナハーだが、同社は生命科学と医療診断で最大の収入を得ている。

 水関連株ファンドの運用担当者は、水不足問題の解決に関与する企業が増えてきている以上、水関連事業に特化する企業以外に投資の網を広げることは必要不可欠なばかりか、潜在的な価値を持つ資産を手に入れる道になると強調する。

 インパックス・ウォーター・ストラテジー(資産73億ドル)の共同マネジャー、ジャスティン・ウィンター氏は「水関連事業でソリューションを提供する新たな企業は爆発的に拡大している」と述べた。

(Cole Horton記者、Ross Kerber記者、Simon Jessop記者)

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