法廷は味方せず

 コカ・コーラは今のところ、法廷でロシアの判事を味方に付けられた試しがほとんどない。

 ロシア政府は炭酸飲料を並行輸入の許可対象に加えていないにもかかわらず、輸入業者ピボインダストリアは「ファンタ」や「チェリーコーク」など数千缶をロシアで販売することができている。同社幹部によると、これらは米国の小売店コストコやウォルマートで購入したもので、今後さらに輸入を増やしたい考えだ。

 ピボインダストリアの弁護士によると、コカ・コーラは、これら商品の出荷差し止め命令を通関に出すよう法廷に求めたが失敗。「(判事は)並行輸入は競争を促進し、価格を引き下げ、消費者のためになるので良いことだと分かっている」と弁護士は述べ、ロシア企業を支えることにもつながると付け加えた。

 コカ・コーラは控訴している。

 ロシアの裁判所は同国のウクライナ侵攻前、飲料企業チェルノゴロフカが販売している飲料「ファントーラ」を承認しており、法廷書類によるとコカ・コーラはこれについても4月に取り消しを求めた。名称が「ファンタ」に似ているためだ。

 しかしチェルノゴロフカの幹部はロイターに対し、「わが社はこの訴訟に何度も勝っている。ロシアだけでなく、複数の国でだ」と述べた。

 コカ・コーラが撤退した今、チェルノゴロフカは90億ドル近いロシアのソフトドリンク市場でシェア50%を目指している。

 西側ブランドの「ロシア化」を目論む企業家もいる。

 クマの形のグミで有名なドイツの菓子企業ハリボーは6月、「ロシアのハリボー」というキリル文字の名称を利用したいという申請について、当局に異議申し立てを行った。

 5月にはある企業家が、赤地に黄色い「M」を配したマクドナルドのデザインに「お母さんのボルシチ」というキリル文字の装飾をあしらい、カフェやバーで使うことへの許可申請を出した。法律事務所が見つけた申請書で明らかになった。

 別の申請書類を見ると、6月にはスニーカーのブランド「ニューバランス」をキリル文字で使用することへの許可申請も出ている。

 マクドナルドとニューバランスはコメント要請に答えなかった。

(Jessica DiNapoli記者、Alexander Marrow記者)

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