米国の1番長い戦争が終わろうとしている。20年前に倒した相手に敗北し、ずっと支えてきた政権と軍はあっけなく崩壊、そして土壇場の退避作戦は混迷を極めた。

 まもなく迎える9月11日の米同時多発攻撃20周年は、イスラム主義組織タリバンによる権力奪還に象徴されるものとなるだろう。

 「これは20年間の戦争ではなかった。1年の戦争を20回行ったのだ」。ある米軍高官は、4つの米政権にわたる短期思考、度重なる失策、一貫性を欠いた戦略への憤まんをこう表現した。

 現職および元米政府高官、さらに専門家などおよそ10人への取材から浮かび上がったのは、米政府による数々の失敗だった。結果的にアフガニスタン情勢安定化に向けた米国の努力は難航し、戦費は1兆ドル以上に上ったばかりか、2400人以上の米兵士と、多くは民間人である数万のアフガニスタン人の命が奪われた。

8月16日、米国の1番長い戦争が終わろうとしている。写真は2011年6月、アフガニスタン・カンダハル州で榴弾砲を撃つ米軍兵士(2021年 ロイター/Baz Ratner)
8月16日、米国の1番長い戦争が終わろうとしている。写真は2011年6月、アフガニスタン・カンダハル州で榴弾砲を撃つ米軍兵士(2021年 ロイター/Baz Ratner)

 この間2つの共和党政権と2つの民主党政権は、アフガニスタンで民主主義と法による支配を育み、強いアフガン軍を構築し、戦争に懐疑的な米国民の関心を維持しようと奮闘してきた。そのために汚職や人権侵害と闘ったが、これらの大半に目を閉ざしてきたのも事実だ。

 何世紀にもわたり部族による地方自治を続けてきたアフガニスタンで、米国は強力な中央政府の確立を押し進めた。米国による麻薬撲滅計画は、タリバンが支配する農村部でケシ栽培によって生計を立ててきた人々をさらに苦しめる結果になった。

 諜報活動の失敗も重なった。バイデン政権が先週、タリバンによる首都カブール進攻には数カ月を要すると予想したこともその1つだ。実際には数日しかかからなかった。

 米国がいくつかの面で成功を収めたことも否定できない。

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