ここ数年、人気を集めてきた「ストロング系」と称される高アルコール度数の缶チューハイに健康被害を誘発するとの指摘が高まり、大手ビールメーカーが慎重姿勢に舵を切り始めた。世界的な健康志向の高まりを受け、酒を飲めない人だけでなくあえて飲まない人も増加する中で、伸びてきた低・ノンアルコール系に軸足を移しつつある。

コロナ禍でも伸びる高アルコール、撤退も

 コロナ禍で外食での飲酒機会が減少、アルコール市場は苦戦を強いられている。その中で、缶チューハイなどのRTD(Ready to Drink)は5年連続で2桁増となるなど好調を維持している。特に、コロナ禍で家飲みが増加する中、気軽に飲むことのできるRTDの需要は高い。

 健康志向からノンアルコールや低アルコール市場が拡大する一方で、大手ビールメーカーを中心に競うように拡販してきたアルコール度数7―9%の缶チューハイ、いわゆる「ストロング系」も「飲みやすく、安価に酔える」ため引き続き市場を拡大している。

ここ数年、人気を集めてきた「ストロング系」と称される高アルコール度数の缶チューハイに健康被害を誘発するとの指摘が高まり、大手ビールメーカーが慎重姿勢に舵を切り始めた。写真は都内のスーパーマーケットの店頭に並ぶノンアルコールビール。3月撮影(2021年 ロイター/Ritsuko Ando)
ここ数年、人気を集めてきた「ストロング系」と称される高アルコール度数の缶チューハイに健康被害を誘発するとの指摘が高まり、大手ビールメーカーが慎重姿勢に舵を切り始めた。写真は都内のスーパーマーケットの店頭に並ぶノンアルコールビール。3月撮影(2021年 ロイター/Ritsuko Ando)

 調査会社インテージによると、度数7―9%の商品の2020年の販売金額は2599億円で14年比で倍増。金額構成比でも年々比率を高め、20年にはRTDの62%を占めるに至っている。

 こうした中、沖縄県の酒類メーカー、オリオンビール(浦添市)は、20年4月に高アルコール製品の販売を終えた。度数7%以上の製品は、「WATTA」シリーズの売れ筋だったため「社内では葛藤しかなかった」とマーケティング本部の原国秀年課長は笑いながら振り返る。しかし、アルコール依存症の治療施設などを訪れ「睡眠薬代わりに飲んでいた」などの話を聞き、決断に至ったという。

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