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 中国テレビ業界のエンタメ・バラエティー黎明期から、その文化を作り上げてきたと言ってもよい湖南広電。その湖南広電が手掛けるネットテレビ「マンゴーTV」は開局から3年で黒字化を果たし、業界3位の背中も見え始めている、今中国で一番勢いのあるネットテレビ局だ。

 マンゴーTVの位置づけや独特の企業文化について触れた前編に引き続き、総裁助理である方菲(ファン・フェイ)氏のインタビューで同メディアを解剖したい。

マンゴーTVと他のテレビ局との違いは何ですか。

方菲(ファン・フェイ)マンゴーTV総裁助理(以下、方氏):スタッフが主に社員で構成されているというのが他社と違うところでしょう。マンゴーTVには16の制作チームがあり、湖南衛視にはさらに30近いチームがあります。それは同時に40以上のチームに我々がほしい案を出させることができることを意味します。

 しかもこのチームは常に我々のために働いていますから、番組側が何を欲しているかを熟知しているのです。対して他社は番組制作が本業なわけではありませんから、企画、制作ともに外部の制作会社を頼る必要があります。当然調達のコストは高くなりますし、多くの会社のために働く制作会社たちは個別のニーズについてそこまでわかっているわけではなくヒット率も高くない。

マンゴーTVの総裁助理である方菲(ファン・フェイ)氏

 我々も外部の制作会社を起用することはあります。ただ、彼らからしたら我々はあまりいいお客さんではないと思います(笑)。我々のスタッフは制作に通暁していますから、例えば舞台図面を一目見れば実際どれくらいコストがかかるかを見抜けてしまう。5%なり10%なり適正と思う利益を与えた上で、「この金額でやってください。やれないなら自社でやるので別にいいです」と言えてしまうわけです。自社で制作を行うことは、このように外部のサプライヤーから調達するときにもコストマネジメントのための大きな力になります。

 また社内であれば裏側のデータを共有することもたやすい。我々は放送後、制作チームに対して番組のビッグデータ分析結果をフィードバックします。例えばどのゲストがあまりウケていなかったとか、弾幕(動画サイトへのコメント)の量やアクセス数はシーンごとにどうなっているか、といったことです。もしその番組の中でアクセスの谷を見つけたら次回は編集時にその人が映る部分を減らすといったことができます。そして逆に予想外に反応が良かったもの、例えば番組のこの部分が微博(ウェイボ)のホットトピックに上がってサイト外から多くのユーザが流入した、といったデータもすべて制作側に渡します。

 こうして1年に2、3件のプロジェクトを経験すれば、制作チームもインターネット的なコンテンツ制作や運営に関しての深い理解を得ることができます。そうすれば彼らが手掛ける作品は効率が良いだけでなく、ユーザーを理解した上でさらに新しい要素を加えるといったことができるようになるでしょう。我々はコンテンツ面での制作側との結びつきにおいて競合である BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)よりもうまくやれていると思いますよ。

 次に収入です。まずこれは他のネットテレビも同じですが、我々のような業態では広告だけでなく会員収入を得ることができます。また他サイトへのコンテンツ外販も収入増に貢献しています。18年で言えば、マンゴーTVの広告収入比率は40%程度でしかありません。

 広告収入に関しては同じグループの湖南衛視と共同でセールスを行うことで、グループの力を有効活用して広告を獲得することができます。そして広告の質の面でも、先ほど紹介した制作の内製化が大きく寄与しています。実際、外部の制作会社が関与する場合、広告主は制作会社と直接会話ができないので、番組内に商品を露出しようとしてもコミュニケーションが難しく、効果的な出し方ができなかったりする。我々は基本的に内製ですから、そういった心配はないのです。

 我々は様々な先進技術を取り入れているという意味で、伝統的なテレビ局と比べてイノベーティブであると言えるでしょう。そしてIT企業と比べるのであれば、もっとコンテンツについて理解していると言えます。それが、最終的にはビジネスとしての成功につながっているのだと思います。