松浦:そうそう。しかもあそこは飛行可能な機体を相当数持っていて、飛行可能な零戦も1機所有しているんです。
八谷:その機体じゃないんです。一昨年、2017年に日本で飛んだ零戦は覚えていますか。
松浦:レッドブル・エアレース千葉のエキシビションで飛んだ機体ですよね。ロシアでゼロから新たに作り直した。
八谷:それです。今あの機体は、チノ空港の個人の格納庫で保管されているんです。それとM-02Jを並べようとしています。ただ、今その零戦はオーナーの方が売りに出していて、機体を持っていく前に売れてしまえば並べるわけにはいかなくなってしまうのですけれど。

松浦:『風の谷のナウシカ』と『風立ちぬ』ですか!
八谷:零戦がチノ空港にいたのは半ば偶然なんですけどね。何でチノなのかというと、ロスから車で1時間くらいで、きちんと展示できる場所があるからなんですけれど、実際のところは「たまたま並べることができる零戦がいた」ということが一番大きいです。
西海岸での「メーヴェ飛ばすぞ」クエスト
松浦:いつも思うのですけれど、八谷さんは自分の作品のプロモーションがとても上手ですよね。
八谷:うーん、なんというか、美術作品は、ファンが付いてこそという性格があるんですが、まずはファンがいる場所に持っていって展示しないと始まらないんです。現物を見て、飛んでいるところを見て初めて心が動いたりとかするから。
そう考えると、やっぱりM-02Jは米国に持って行って飛んで展示して、とやっておかないと、プロジェクトとして終わることができない、という思いが自分にはあります。特に米国内で日本オリジナルの自作機を飛ばす、みたいなのは、ほとんど過去に例がなかったことだし、ぜひやってみたかったことなので。
編集Y:でもこうなると本当、メーヴェの形でよかったですね。
八谷:うん。
松浦:アニメの機体に乗って飛びたいって、とても分かりやすいというか。
八谷:そうですね。
編集Y:アニメ映画を見たら、「これ作りたいな、これで飛びたいな」と思いますものね。
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